源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
はるかなる東洋医学へ
はるかなる東洋医学へ (朝日文庫)/朝日新聞社

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はるかなる東洋医学へ
本多勝一【著】
朝日新聞社刊
2004(平成16)年9月発行


著者によると、本書は「はるかなる」東洋医学への周辺部からの随想だといふことです。
本多氏および彼の家族自身が現代医学の被害者となつてゐることが、かかる書物を書かせた原動力かと思はれます。
幼時に妹が「馬鹿医者の殺人療法」で亡くなつて以来、自分自身、そして母も近代医療(すなはち西洋医学)の犠牲者となつたさうです。
妹・晃子さんの最期については、あまりの酷い診断に唖然とするものであります。「馬鹿医者」を信用したばかりに、大切な命を奪はれてしまつた...

西洋医学の限界に触れてゐますが、「だから東洋医学だ」と単純に述べてゐる訳ではありません。あまりにも西洋医学一辺倒の現状に、一石を投じると申しますか。
あくまでも西医と東医はお互ひに補完しあつて(そのためには西医側も勉強が必要だと主張します)、成果を出すべきのが理想だといふことですね。
自らを「シロート」と謙遜しますが、本多氏自身も医学を学んだ専門家でありますので、単なる門外漢のエッセイとは一線を画すものと申せませう。

さういへば、近所の床屋へ行くと、爺さんたちが「病院なんかへ行つたら、治るものも治らない。殺されるよ」などと物騒なことを言つてゐました。剣呑剣呑。
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シャボン玉ホリデー
シャボン玉ホリデー―スターダストを、もう一度/日本テレビ放送網

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シャボン玉ホリデー~スターダストを、もう一度
五歩一勇【著】
日本テレビ放送網刊
1995(平成7)年2月発行


ザ・ピーナッツの伊藤エミさんが亡くなつたとのニュウスを聞いて、虚脱感がわたくしを襲つたのであります。特段のファンではなかつたと自覚してゐたのですが(CD全集は持つてゐるよ)、やはり悲しい。

そこで恒例の追悼上映。
本日から『私と私』『モスラ』『モスラ対ゴジラ』『三大怪獣地球最大の決戦』...もつと多くの映画に出てゐる印象ですが、カメオ出演が多いので、ほとんどモスラ絡み。

そして書籍では『シャボン玉ホリデー』。このTV番組はバラエティの元祖ともいはれてゐます。わたくしが見てゐた頃はすでに末期でしたが、『ゲバゲバ90分』と共に好きな番組でありました。さう、当時主流のドリフ派ではなく一時代前のクレージー派でした。

植木等の「お呼びでない」に始まり、谷啓の「ガチョーン」、元都知事の「青島だァ!」などを生み出した超人気番組で、その中心にゐたのがザ・ピーナッツであります。ナベプロ全盛期。
本書で、あの時代にタイムスリップしてはいかがでせうか。


日本語は天才である
日本語は天才である (新潮文庫)/新潮社

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日本語は天才である
柳瀬尚紀【著】
新潮社(新潮文庫)刊
2009(平成21)年10月発行


人気翻訳家の日本語エッセイであります。
柳瀬尚紀さんの名前を初めて知つたのは、「翻訳の世界」といふ雑誌でした。もう30年くらゐ前でせうか。
当時はすでに新進気鋭の翻訳家として名を上げてゐたのであります。『翻訳困りっ話』なんて著書もありましたね。
翻訳家の条件として、まづ「日本語の達人たれ」とよくいはれる事ですが、柳瀬氏の仕事振りを見て「おお、なるほど」と実感することしきりなのでした。理想の翻訳家を具現化すれば、そのまま柳瀬氏の姿になるのではと思ふほどです。

表題は石川啄木の『雲は天才である』をもぢつたものださうです。
日本語が天才であるお陰で、翻訳家である自分がその恩恵を享受してゐますよ、と柳瀬氏は語るのですが、その天才たる日本語を操る自分も天才ぢやないかしらん、と読者に訴へてゐる気がしないでもない。ま、いいか。



更新頻度が著しく落ちてゐます。忙しいといふよりも、生活上の変化がありまして、あまりPCを触れないのであります。本を読まなくなつたわけではありません。
もう少し(8月末頃?)したら、多分ガガガと書き込むことでせう。数少ない読者の皆様、しばしお待ちを。


フジコ・ヘミング 魂のピアニスト
フジコ・ヘミング 魂のピアニスト (新潮文庫)/フジコ ヘミング

¥500
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フジコ・ヘミング 魂のピアニスト
フジコ・ヘミング【著】
新潮社(新潮文庫)刊
2008(平成20)年11月発行


日本ではNHKの番組により、その名を知られることになつたフジコ・へミングさん。本書はいはばそこに至るまでの彼女の半生を綴つた自伝と申せませうか。

この人の文章を読みますと、まことに強靭な精神力の持ち主であらうことが推察されます。
同時に、自らの才能を信じる信念があるといひますか、客観的に自己評価を下せる人物なのでせう。
謙譲を美徳とする日本人にとしては、受け入れ難いとする反応も多いと存じます。何せ「私は大いなる才能がある。それを理解しないのは教養のない聴衆のせいなのだ」と語つてゐるに等しいですからな。

高い評価を受けてゐる人ならば喝采を浴び、さうでない人は同じ事をしてもそつぽを向かれます。関係ないが、野田くんと小泉くんは似てゐる。それぞれ増税・郵政でまつしぐら。党内に反対意見多数。違ふところは、小泉くんは圧倒的な支持率を保持してゐたといふとことですな。
ゆゑに敵対する人々を「抵抗勢力」と名付け、更に支持を得たものであります。野田くんはそれができず、野党にすりよる毎日。

フジコさんを取巻く環境を見て、さういふことを考へました。余計な事です。