源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
実戦・世界言語紀行
実戦・世界言語紀行 (岩波新書)/梅棹 忠夫

¥798
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実戦・世界言語紀行
梅棹忠夫【著】
岩波書店(岩波新書)刊
1992(平成4)年1月発行


民俗学者として世界各地を巡つた著者。
それぞれの土地で現地の言葉を学び研究してきた記録であります。

梅棹氏の外国語との付き合ひ方は、趣味でも教養でもなく、現地の民族をより深く理解するための手段のやうです。したがつて目的を達すればたちまち忘れてしまふ。まあそんな訳で「実戦」なる単語が書名に付されてゐるのでした。

関はつた言語はおほよそ50くらゐでせうか。
ひとつの外国語さへモノにできぬくせに、いくつもの言葉に同時に手を出すのはいかがなものか、といふ声もあります。

しかし梅棹氏は、小鳥の習性を理解できなくてもさへづりは楽しめるし、草花の栽培は難しくてもその姿をめでることはできる、と語ります。
そしてさういふ言語学習法を「小鳥草花言語学」と命名しました。
む。確かに専門家でもない立場ならそれでいいぢやないか、とわたくしは大いに賛同するものであります。

ところが最終章の「世界のなかの日本語」では、従前の日本語ローマ字化論を繰返してゐます。今ではもう流行らないのではないでせうかね。
根底には「日本語は諸外国語に比べて不完全な言語」「日本語は非論理的」などといふ認識があるのでは。複数の正書法があつたつていいぢやないか、とわたくしは思ひますがね。

...と、文句を言ひながら、それでもなほ本書全体の存在価値は大きいと申せませう。民俗学や語学に関心のある人なら必ず愉しめることでせう。


今までは「源氏川苦心の日々充実」なるブログを続けてゐましたが、いはば同工異曲の続篇とでも申しませうか。
何卒よろしくお願いします。
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