源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
松蘿玉液
松蘿玉液 (岩波文庫)/正岡 子規

¥420
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松蘿玉液
正岡子規【著】
岩波書店(岩波文庫)刊
1984(昭和59)年2月発行


薄い書物でありますが、これがまことに面白い。正岡子規後期の随筆作品であります。
文庫カヴァーの説明によると、表題は子規が愛用してゐた中国産の墨の銘ださうです。
話題は多岐にわたり、政治家や文学者を論じ、ベースボールを愛し、俳句の剽窃とは何かを論ずる。その断定調に笑つてしまふこともあります。

伊藤博文は「利口なやうで愚」、大隈重信は「行届いたやうで行届かぬ」と評し、「人身攻撃」の妥当性を説く。
西鶴・近松・蕪村の3人を元禄の三文学者と称しながら、それぞれの欠点をあげつらふ。俳句で酷似する作品が多いことを取り上げて、「暗合か剽窃か」を一つひとつ検証し、優劣を論ずる(読み応へあり)。
世評や権威とは無縁の子規だから、読んでゐて痛快であります。

しかし本書で目をひくのは、やはりベースボールを紹介する文章でせう。この薄い本の中で10ページ近くも費やしてゐます。しかも図解入り。
ベースボールに要するもの」として、「凡そ千坪ばかりの平坦なる地面(芝生ならばなほ善し)皮にて包みたる小球(直径二寸ばかりにして中は護謨、糸の類にて充実したるもの)投手が投げたる球を打つべき木の棒(長さ四尺ばかりにして先の方やや太く手にて持つ処やや細きもの)...」と丁寧に解説してゐます。が、当時の人は多分イメエヂが掴めなかつたことでせう...

しかし、岩波文庫も高くなつたものですな。この薄さで420円とは...
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