源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
食堂車乗務員物語
食堂車乗務員物語―あの頃、ご飯は石炭レンジで炊いていた (交通新聞社新書)食堂車乗務員物語―あの頃、ご飯は石炭レンジで炊いていた (交通新聞社新書)
(2009/12)
宇都宮 照信

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食堂車乗務員物語―あの頃、ご飯は石炭レンジで炊いていた
宇都宮照信【著】
交通新聞社(交通新聞社新書)刊
2009(平成21)年12月発行


わたくしは乗り物酔ひをしたことがないのであります。
しかし唯一度の例外がありまして、まだ中学生の時分に、鹿児島線特急「有明」に乗つてゐた時です。
食堂車で昼飯を食べやうといふことになり、わたくしはカレーライスを注文したことであるなあ。
美味しく食べたのでありますが、何故かそのあと485系電車に揺られるうちに、気分が悪くなつてきたのでした。
どんなに体調が悪くても、いざ鉄道に乗ると必ず回復するわたくしとしては、稀有な場面である。同時に、食堂車の思ひ出として忘れられぬ出来事でございました。

現在、我が国の食堂車事情はまことに寂しいものであります。一部の夜行列車を除くと、ほぼ全滅と申せませう。
長距離の移動が鉄道から航空機へ移り、食堂車を利用するほど長時間の乗車をする人が減つたことも理由のひとつでせうか。
また、自由席が満席の時に、食事を注文もせずに席を確保するためだけに食堂車へ乗り込んでくる奴もゐて、かういふヤカラが跋扈したのも原因らしい。怪しからぬ話であります。

さて『食堂車乗務員物語』は、長年食堂車に乗務してゐた著者による、愉しい読み物であります。
第一章では今日までの食堂車の歩みを紹介してゐます。栄枯盛衰。
第二章以降は自身の経験をもとに、食堂車勤務の内幕やら体験談やらが開陳されて興味深い内容となつてゐます。
急行「雲仙」常務の話が中心で、著者と夫人のナレソメまで紹介。
当時のメニューが詳しく書かれてゐます。その品書きを見るだけで食欲がわいてきます。「くもみ」風に「じゅるる」と表現したいところであります。

実際に汽車にでも乗りながら読めば、一段と味はひ深い一冊ではないでせうか。わたくしは病院の待ち時間に一気に読んでしまつたが...

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