源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
天国にいちばん近い島
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天国にいちばん近い島―地球の先っぽにある土人島での物語
森村桂【著】
角川書店(角川文庫)刊
1969(昭和44)年4月発行
1994(平成6)年4月改版


『そこに日本人がいた!』といふ本を読んだ時に、ニューカレドニアに渡つた日本人のことが書いてありました。出稼ぎニッケル坑夫として、半ば騙されて渡航した先達の苦労話であります。
そこで森村桂さんの『天国にいちばん近い島』にも触れてゐて、彼女が世話になつた林氏のこともちらりと記載がありました。

初読から随分経つので、細部はほとんど忘れてゐました。改めて読むと、これが面白い。何しろあの時は原田知世嬢に夢中だつたので、映画の印象しか残つてゐませんでした。恐るべし角川商法。
しかし現在は絶版のやうですね。あれほどのブウムを巻き起こしたといふのに。サブタイトルや本文中にやたら「土人」といふ記述があるからでせうか。

森村桂さんは亡き父(作家の豊田三郎氏)から、「天国にいちばん近い島」の話を聞かされてゐたのですが、具体的な地名は教へてくれませんでした。
それが、彼女が勤務する出版社の編集者から、ニューカレドニアの話を聞いた途端に、「ここだ!と私は思った。そこが父の言っていた、天国にいちばん近い島にちがいない」と思ひ込むのです。いや、森村さん本人も疑つたやうに、豊田氏はでまかせをいつたのだと思ふよ。罪な父です。

今みたいに情報には不自由しない時代ではありません。どうやつたらニューカレドニアへ行けるのか、さつぱり分からないので、現地から鉱石を運搬してゐた会社に、運搬船に乗せてもらへないかと手紙で依頼するのであります。そして、奇跡は起きた! 

旅行記として痛快なる読み物になつてゐますが、ニューカレドニアが俗化、いや観光地化する前の貴重な記録としてもその存在意義はありませう。さういへば29年前の映画でもすでに、主人公は旅行会社のパックツアーで、飛行機で渡航してゐました。
ま、本書を知らなかつた人には、一度読んでみりん、と申し上げて筆を擱くものであります。

天国にいちばん近い島 (角川文庫)天国にいちばん近い島 (角川文庫)
(1994/04)
森村 桂

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