源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
ビルマの竪琴
ビルマの竪琴 (新潮文庫)ビルマの竪琴 (新潮文庫)
(1959/04/17)
竹山 道雄

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ビルマの竪琴
竹山道雄【著】
新潮社(新潮文庫)刊
1959(昭和34)年4月発行
1988(昭和63)年6月改版


戦時中のビルマに駐屯する、日本のとある小隊の物語であります。
この小隊はとにかく良く演奏し、歌ふ。中でも水島上等兵の奏でる竪琴は絶品なのでせう、その演奏は兵隊たちの心をとらへ、無骨な彼らをも陶酔させてゐます。
その後戦況が悪化し、この小隊はイギリス軍に降伏することになります。捕虜となつたのでした。

しかし山奥ではまだ降伏せず、むなしく抵抗を続ける小隊があり、いたづらに戦死者を出してゐたのであります。
この小隊に降伏を促すために、水島上等兵がその重要な任務に赴くことになりました。
ところが、待てど暮らせど水島は帰つてきません。説得は失敗したのか...生死すら分からず、残された小隊はやきもきする日々が続くのであります。隊長は「自分が行けば良かつた」と悔恨の念にかられてゐます。
一体水島はどうしてしまつたのか...

本来ドイツ文学者が本業の作者が、戦後になり手のひらを返したやうに平和を唱へる人たちに絶望し、やむにやまれぬ心情から執筆したものでありませう。語り手の「私」からもさういふ「怒り」「やるせなさ」が感じられます。
祖国日本のためといふ大義名分で命を落した多くの兵隊さんの鎮魂のため、黙つてゐられないと感じたのではないでせうか。
もともと子供向けに書かれたやうですが、年齢に関係なく、それぞれの心に響く一冊と申せませう。

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