源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
ウルトラマンが泣いている
ウルトラマンが泣いている――円谷プロの失敗 (講談社現代新書)ウルトラマンが泣いている――円谷プロの失敗 (講談社現代新書)
(2013/06/18)
円谷 英明

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ウルトラマンが泣いている―円谷プロの失敗
円谷英明【著】
講談社(講談社現代新書)刊
2013(平成25)年6月発行


某紙の書評を見て、購買したのであります。かかる本が出てゐたとは。
ところでウルトラマンは泣くか? 幼時に見たウルトラずかんでは、ウルトラマンは泣かないと書いてありました。しかしその後『ウルトラマンエース』で、ウルトラの父がヒッポリト星人に倒された時、残されたウルトラ兄弟たちは涙を流してゐました。なんだ、泣くぢやんと思つた記憶があります。
ま、そんなことは本書に関係ないのでスキップします。

著者の円谷英明氏は、円谷英二の孫にあたる人であります。円谷英二氏の息子に一、皐、粲の三兄弟がゐましたが、長男円谷一氏の息子といふことです。
内部の人間ならではの、円谷プロの生々しい内幕が綴られてゐます。放漫経営、私物化、お家騒動...確かにファンならば耳を塞いでしまひたい話が続々と出てきます。

著者の主張を平たく言へば、歴代社長の中で最長在位の円谷皐氏と、その後継者たる円谷一夫氏(およびその取巻きたち)が、円谷プロが破綻した張本人であるといふことですかな。
皐―一夫ラインと英明―昌弘ラインの対立と申しませうか。ただ本書は当然ながら対立する一方からの視点からしか書かれてゐませんので、一夫氏側からの反論も聞きたいところであります。

円谷一氏の死後、特撮で利益を生み出すビジネスモデルを遂に確立できなかつたことが、致命的だつたやうです。現場の人間は、「良い物を作れば金がかかるのは当然」といふ空気の中で仕事をしてゐました。まるで黒澤明監督ですね。黒澤監督には東宝がついてゐたから良いけれど、円谷は逆に自ら東宝から離れてしまつた。これも失敗の一つと申せませう。

円谷ヒーローで育つた身としては、円谷の現状は何とも歯痒いのであります。リスクの大きい中国でビジネスを展開しやうとして、案の定失敗。余計なお世話ですが、資金の投資先を間違つたのではないでせうか。
現在の親会社は、「儲かる特撮」を実現できるのか、それともその気はないのか...いづれにせよウルトラマンはすでに共有財産と化してゐます。あまりをかしな扱ひは避けていただきたいものです...

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