源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
超男性
超男性

超男性
アルフレッド・ジャリ【著】
澁澤龍彦【訳】
白水社(白水Uブックス)刊
1989(平成元)年5月発行


かういふ作品があるから、わたくしは仏文学を専攻したのだと言へるでせう。少なくとも日本では誕生し得なかつた小説ではありますまいか。
まあ人によつては、「こんなのが日本の作品でなくて良かつた」とつぶやく御仁もゐらつしやるかもしれませんが。
アブサン、自転車、拳銃を愛好した奇行奇言の人であるアルフレッド・ジャリの、戯曲『ユビュ王』と並び称される代表作(と思ふが)『超男性』であります。

アンドレ・マルクイユの発した一言「恋愛なんて取るに足らない行為ですよ。際限なく繰り返すことができるんですからね」を発端に、物語は動き始めます。
その言葉を証明するために、彼はインド人に扮し、多くの証人の前で驚嘆の行為に及ぶのであります。さて、その記録とは...

同時に、なぜか自転車で汽車のスピードに挑むイヴェントもあり(一万マイル競走)、結果五人乗り自転車は汽車に勝利します。自転車好きのジャリらしい話ですね。読んでゐるうちに気分が高揚してくるのはわたくしだけでせうか。
そして超男性・アンドレ・マルクイユは「愛を催させる機械」に愛され、最後は...といふ結末。

性愛行為とスポーツを同一視し、機械と人間の対立を予言した小説、とも呼ばれてゐますが、理屈はともかく読んでみることをお勧めするものであります。
先達ての『城の中のイギリス人』よりは一般に受け入れられると思ひますが、どうでせうね。

超男性 (白水Uブックス)超男性 (白水Uブックス)
(1989/05)
アルフレッド ジャリ

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