源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
あなたに褒められたくて
あなたに褒められたくて (集英社文庫)あなたに褒められたくて (集英社文庫)
(1993/08/20)
高倉 健

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あなたに褒められたくて
高倉健【著】
集英社(集英社文庫)刊
1993(平成5)年8月発行

 
文化勲章を受章しました高倉健さん。80歳を越えてもカックイイですね。
仁侠映画でストイックに耐へる姿が強烈に印象に残つてゐます。映画での役柄といへば、恐らく多くの人が同じやうに「曲がつた事ができない前科者の健さん」を思ひ浮かべるのではないでせうか。

しかしわたくしは、初期作品に見られる「やんちやな健さん」も好きであります。人気が出つつあるが、まだまだ大物ではない時期に、暴れん坊社員などを演じる健さんは微笑ましくもある。誰何されて「旋風太郎です!」なんて答へるシーンは笑つてしまひますね。

大物になるきつかけとなつたのは、多分、新東宝からやつてきた石井輝男監督との出会ひではないでせうか。
娯楽映画の何たるかを知悉する石井監督。あの「網走番外地」シリーズも石井監督のアイデアから生まれたのださうです。網走での健さんは、後の任侠作品と違ひ、実にイキイキと暴れてゐます。我慢しない。耐へない。本能のまま動き回る橘真一を演じて、観客に爽快感を与へるのです。
ただ、網走も石井監督が外れた新シリーズは雰囲気が変り、普通の任侠映画になつてしまつたのは残念でした。

『あなたに褒められたくて』はかなり以前の作品で、その存在は知つてゐたのですが、文化勲章を機に手に取つたのであります。「あなた」とは誰のことかも分かりました。ははあ。

善光寺参りの話や、村田兆冶さんへ花を贈る話、小林稔侍さんから思ひ出の表札を貰ふ話など、皆印象的です。
若い頃のやんちやな話もあります。「ガチャ」への悪戯はひどいですな。本人が気付かないのは笑へますが。
それから丹波哲郎さんの催眠術。丹波さんのは本格的ですが、健さんも催眠術をするとは驚きであります。素人が催眠術をかけるのは危険だと聞いてゐますが、事故はなかつたやうでなにより。

飾らぬ人柄がこの一冊に詰まつてゐます。ファンではない人が読んでも、きつと好感を抱くであらう本書。ファンの人ならなほさら好きになる本と申せませう。
もつとも、ファンならとつくに読んでゐるかな。

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