源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
リア王
リア王 (新潮文庫)リア王 (新潮文庫)
(1967/11/28)
ウィリアム シェイクスピア

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リア王
ウィリアム・シェイクスピア【著】
福田恆存【訳】
新潮社(新潮文庫)刊
1967(昭和42)年11月発行


訳者の福田恆存氏は、沙翁の最高傑作は『リア王』であると断言してゐます。
なある。確かに警句に満ちた台詞には、力が溢れてゐて、自分の文章に挿入したくなるフレイズが多いのであります。

リアは末娘のコーディーリアの真意を見抜けずに、長女・次女の追従に騙されて転落の詩集を綴る。
コーディーリアは、いかに美辞麗句を並べるのが不得手と云つても、父をもう少し慮つても良いのではないか。リアはリアで、余りにも愚かな行動を重ねます。不自然なほどである。
この愚かさを以て、沙翁は莫迦だなあと嘲笑する人がゐるかも知れませんが、これは計算された愚かさのやうです。

なぜか。本書は作者不詳の『原リア』なる作品を下敷きにしてゐるといふ事ですが、此方ではもつと自然な粗筋になつてゐるさうです。即ち沙翁はあへて、不自然なほどリアを暗愚に描いてゐるといふことであります。
総てを失ひ、荒天の中を彷徨ふリア。それでも人間は何か虚飾を身に付けてゐる。振り返へれば、社会の底辺で蠢くわたくしでさへ、いらんもんを持つてゐます。でもそれが人間といふものでせう。ちよつと暗澹たる気分になる、格調高い悲劇であります。

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