源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
春の城
春の城 (新潮文庫)春の城 (新潮文庫)
(1955/06/01)
阿川 弘之

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春の城
阿川弘之【著】
新潮社(新潮文庫)刊
1955(昭和30)年6月発行
1970(昭和45)年9月改版


舞台は戦前の広島。主人公の小畑耕二くんは、文学部の学生であります。年長の友人である伊吹幸雄くんの妹・智恵子さんには好意を抱いてゐながら、結婚話を断つてしまふ。もつたいない。

戦時下が若者の学習意欲を殺ぐ。徴兵のため、卒業も早まるのであります。国のために、この戦に命を捧げてもいい、むしろ光栄であるとの意識が高まつてゆくのでした。
耕二くんの場合は、東京通信隊の軍令部特務班にて、暗号解読の仕事をすることになります。

しかし戦況は悪化する一方で、遂に広島には米軍の新型爆弾が投下されます。智恵子さんのその後は、いぢらしいの一言であります。ああ...

戦禍に見舞はれながらも、若者らしい瑞瑞しさを失ふことなく、時代と向き合ふ登場人物の一人一人がとても好ましい。著者の初めての長篇作品ださうですが、その後の阿川作品に比しても引けをとらないくらゐ完成度は高いと申せませう。

夜も更けましたので、寝ることにしませう。晩安大家。

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