源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
時代考証家に学ぶ時代劇の裏側
時代考証家に学ぶ時代劇の裏側 (講談社プラスアルファ文庫)時代考証家に学ぶ時代劇の裏側 (講談社プラスアルファ文庫)
(2010/11/19)
山田 順子

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時代考証家に学ぶ時代劇の裏側
山田順子【著】
講談社(講談社+α文庫)刊
2010(平成22)年11月発行


プラスアルファ文庫から「時代劇に学ぶ」などといふタイトルが付いた本が出てゐたので、これはビジネス書かなと思ひきや、時代考証家が明かしてくれるうんちく話でありました。

内容は五章で構成されてゐて、それぞれ「武田信玄と上杉謙信が主役の時代」「信長・秀吉・家康が主役の時代」「水戸黄門が主役の時代」「大石内蔵助と赤穂浪士が主役の時代」「徳川吉宗と大岡越前が主役の時代」と、時代順に並んでゐます。

著者の山田順子さんの本職は、放送作家だといふことです。あの『クイズ面白ゼミナール』のクイズ出題・構成もしてゐた人であります。「はい書きなさい!」
それ以降、クイズ番組や時代劇などの考証を務めてきたと。その山田さんが語る、時代劇制作における考証の裏話が楽しめます。
どうやら時代考証とは、必ずしも史実の裏づけを必要とするものではないのですね。単に「この時代にかういふものが存在するのはをかしい」とか、さういふ方面のチェックみたいです。

それでも、時代劇において既に定着してゐて、考証にこだはり過ぎると観客(視聴者)のイメエヂを損ねてしまふ場合は、時代考証家の意見も無力なのですな。例へば。

「忍者は黒づくめ衣装もまとはず、刀も背負つてはゐなかつた」
「日本人は古来より胡坐座りで、正座をするやうになつたのは徳川幕府以降」
「草鞋を履く時には白足袋をしない」
「水戸光圀公といふ呼び名は存在しない」
「大名屋敷に表札は存在しなかつた」
「赤穂浪士が討ち入り前に蕎麦屋に集まるが、元禄時代に蕎麦屋はなかつた」...等等枚挙に暇がないほどであります。しかし制作側は定着したイメエヂを優先するためか、せつかくの時代考証家の提言も採用されないのだな。
ま、メイニアックな人たちには常識なのでせうが。

読後に時代劇が一層面白く鑑賞できるのか、それとも不満がたまるのか微妙なところと申せませう。

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