源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
終着駅は始発駅
終着駅は始発駅終着駅は始発駅
(2007/03)
宮脇 俊三

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終着駅は始発駅

宮脇俊三【著】
グラフ社刊
2007(平成19)年3月発行

終着駅は始発駅。このタイトルには、二つの意味を込めたと著者は語ります。
一つは、終着駅に到達した列車は必ず折り返す。即ち始発駅としての顔を持つのであります。
今一つは、比喩的表現で、宮脇氏自身がサラリーマン人生の「終着駅」を迎へた時、同時にそれは紀行作家生活の始発駅であつたといふことらしい。

あとがきに「文章を書くようになってから、まだ四年にしかならないが」とあるやうに、極初期のエッセイ集で、内容は良く言へば多彩、悪く言へば雑多と申せませう。しかし心地の良い雑多さであります。赤い50系客車に乗つて揺られてゐるやうな恍惚感。

「東京駅 素顔の24時間」「東京の私鉄七社乗りくらべ」のやうなルポ作品もあり、その取材力の片鱗も見せてゐます。本来ならこの種のルポは、時が変ればその価値を減ずるものでありますが、宮脇作品の場合は貴重な記録となるところが追随者との差と言へませう。

そして名作の誉れ高い「山陰ストリップ特急」も収録されてゐます。一人旅を数多く重ねると色色な事象にぶちあたります。苦心も歩けば棒に当る。しかし、宮脇氏の山陰ストリップ特急は出来すぎであります。かういふ体験は望んでも中中出来ませんね。

念のために申しますが、当時の国鉄が、山陰ストリップなる特急を走らせてゐた訳では有りません...

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