源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
オセロー
オセロー (新潮文庫)オセロー (新潮文庫)
(1951/08/01)
シェイクスピア

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オセロー
ウィリアム・シェイクスピア【著】
福田恆存【訳】
新潮社(新潮文庫)刊
1951(昭和26)年8月発行
1973(昭和48)年6月改版
1984(昭和59)年9月改版
2011(平成23)年9月改版


「だが、口惜しいのだ、イアーゴー! ああ、イアーゴー、おれは口惜しいのだ、イアーゴー!」(第四幕第一場)

イアーゴーは悪い奴であります。しかし沙翁悲劇に於いては、ワルの度合が高いほど魅力的といふ、困つたことになつてゐます。
ムーアの英雄オセローは、イアーゴーの讒言をいとも簡単に信じ、精神の安定を失ひ、妻デズデモーナを自らこの手で...おお恐ろしい。

訳者福田恆存氏は、四大悲劇の中でも『リア王』を最高作と評価する一方で、この『オセロー』は、四大悲劇に加へるほどの作品ではないと考へてゐるやうです。

その理由については「解題」に詳述されてゐますので端折りますが、実際に舞台を観てみると迫力に圧倒されて、欠点などは忘れてしまふので、わたくしは全然気にしないのであります。やはり上演してなんぼでせう。
あの『ヘンリー八世』でさへ、BBC制作のTVドラマ化作品を拝見した時、そのきらびやかさには恍惚とさせられたものであります。

沙翁劇には、フォルスタッフだのシャイロックだの、主役以上に存在感を持つ脇役・悪役が存在します。本作では何と言つてもイアーゴーですな。旗手のくせにオセロー以上に出番も多いし、せりふも印象的であります。「空気のように軽いものが、嫉妬に憑かれた男には、聖書と同じ重みをもってくる」

福田氏は「嫉妬の悲劇」ではなく「愛の悲劇」だと述べますが...やはり嫉妬も混つてゐると思ひますけどねえ。
分かりやすさナムバアワンの、沙翁悲劇と申せませう。

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