源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
悪税が日本を滅ぼす
悪税が日本を滅ぼす―元国税調査官が暴露する不公平税のからくり (新潮文庫)悪税が日本を滅ぼす―元国税調査官が暴露する不公平税のからくり (新潮文庫)
(2010/03/29)
大村 大次郎

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悪税が日本を滅ぼす―元国税調査官が暴露する不公平税のからくり
大村大次郎【著】
新潮社(新潮文庫)刊
2010(平成22)年3月発行


「悪税」といふ言葉を聞くと、「晩聲社」を連想しますね。この出版社では価格表示において、消費税を悪税としてゐました。即ち、普通なら「\1500+税」とか「\2800(本体価格)」などと表記するのでせうが、晩聲社の出版物では「\3000+悪税」となつてゐたのであります。現在もさうなのかどうかは知りませんが。
また、奥付の年号表示も独特で、「昭和」「平成」などの元号を一切廃し、その代り1946年を元年とする「核時代」といふ独自の表記をしてゐたものです。
今、ちよつと気になつて「晩聲社」のウェブサイトを覘いたら、まるで韓国礼賛出版社みたいに変貌してゐますね。悪税も核時代も和多田進さんもどこかへ行つてしまつたやうです。ああ。

ま、晩聲社はどうでもいい。元国税の調査官である大村大次郎さんの著書『悪税が日本を滅ぼす』のことでした。
単行本刊行時の書名は『なぜ金持ちが増えたのか?』。文庫化時に現在の書名に改題されたのであります。帯にも「貧乏人からむしりとれ!」と過激な惹句(?)。

近年、富裕層が増え、他方では生活保護世帯も増加してゐると統計が示してゐるといふことです。要するに格差が広がつてゐると。
税制が不公平で税が無駄遣ひされてゐるだらうことは、まあ多くの人が感じてゐるのではないかと思ひますが、その内実を具体的に指摘したのが本書と申せませう。

簡単にいへば、かつての税制は富者から多く税を徴収し、貧困者に分配する形で格差を埋めてゐたのを、竹中=小泉路線以降、金持ちを優遇し、貧乏人からも等しく税を取るやうになつたと。財界の言ひなりになり庶民を苦しめる傾向は安倍政権で更に加速してゐます。オット安倍信者の皆様からフクロにされてしまふね。桑原桑原。
非正規雇用、ワーキングプア、ひいては結婚難民の増加、それに伴ひ少子化に拍車がかかる...
本書には、犯人は誰か、対策は何かなどが述べられ、真の原因についてもさりげなく書かれてゐます。真の原因は「さりげなく」書かざるを得ない事情が有るのですよね。著者の心情を忖度するわたくしであります。

読後爽快になる本では決してありませんが、目を通した方が良い一冊と言へませう。俗耳に入りやすい乱暴な論だと片付ける人もゐるでせうがね...

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