源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
伊福部昭 ゴジラの守護神・日本作曲界の巨匠
伊福部昭: ゴジラの守護神・日本作曲界の巨匠 (文藝別冊/KAWADE夢ムック)伊福部昭: ゴジラの守護神・日本作曲界の巨匠 (文藝別冊/KAWADE夢ムック)
(2014/05/31)
片山 杜秀

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伊福部昭 ゴジラの守護神・日本作曲界の巨匠
片山杜秀【責任編集】
河出書房新社(文藝別冊/KAWADE夢ムック)
2014(平成26)年5月発行

今年は伊福部昭氏の生誕100年といふことで、各メディアでも話題になつてゐます。先日も、我が家に毎日配達される新聞にもその記事が載つてゐました。「ほほう、きてるなあ」と思つたものです。
関連書籍も出るであらうと予測してゐましたが、果たせるかな幾つかの新刊が登場したやうです。
その中でも、もつとも一般的でビギナーにもお薦めなのが本書であります。ムック扱。(MOOK=MAGAZINE+BOOKの合成語。どうでもいい情報だが)

伊福部氏は現代日本音楽界の重鎮といふ存在であり、教育者としても芥川也寸志氏や黛敏郎氏など、多くの人材を輩出しました。わたくしもかつては『伊福部昭 音楽家の誕生』といふ書物を取り上げたことがあります。この本も良かつた。

しかし一般的には、伊福部氏は『ゴジラ』をはじめとする映画音楽の作家としての側面が語られることが多い、本書でも伊福部氏をリスペクトする人たちが寄稿したりインタビューに答へたりしてゐますが、その多くはやはり映画音楽からのアプローチだつたやうです。かくいふわたくしも同じですが。
本書の本人インタビューによると、かかる現象に伊福部氏本人は、当初はやはり本意ではなかつたやうです。映画の仕事は生活のために仕方なく始めたと。一歩先に映画の仕事をしてゐた盟友・早坂文雄の勧めもあり決心したさうです。

しぶしぶ始めた映画音楽でしたが、晩年には『ゴジラ』の伊福部と呼ばれることに抵抗は薄れてゐたやうです。インタビュー映像で「映画は300本以上やつてゐますので、映画音楽の作家と呼ばれてもしようがないと思つてゐます。シンフォニーは300も作つてゐませんから」と語つてゐましたのでね。

映画音楽で有名になりすぎたせいで、音楽家としての正当な評価が得られなかつた不幸な人なのか?
それとも『ゴジラ』を作曲したお陰で知名度が上がり、過去の純音楽も一般人に注目された幸運の持ち主なのか?
まあ、それは誰にも分かりますまい。

ただわたくしは東宝特撮映画の愛好家だつたお陰で伊福部氏を知り、キングレコードの伊福部氏の藝術シリーズCDを蒐集した一人に間違ひありません。
ストラヴィンスキー「春の祭典」を初めて聴いた時には衝撃を受けましたが、後に伊福部昭「日本組曲」「日本狂詩曲」でそれ以上の感銘を受けたのであります。
同様の体験を持つ人は多いのではないでせうかね。もし未体験の人がゐるなら、本書をガイドに、伊福部氏の純音楽にも触れて貰ひたいのであります。こんな大昔に、日本の青年がかくもカッコイイ音楽をモノしてゐたのかと。
で、気に入つたなら、わたくしと語り合ひませう。一升瓶提げて。

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