源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
土俵の真実
土俵の真実―杉山邦博の伝えた大相撲半世紀 (文春文庫)土俵の真実―杉山邦博の伝えた大相撲半世紀 (文春文庫)
(2010/06/10)
杉山 邦博、小林 照幸 他

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土俵の真実―杉山邦博の伝えた大相撲半世紀
杉山邦博/小林照幸【著】
文藝春秋(文春文庫)刊
2010(平成22)年6月発行


今年も暑い暑い名古屋場所が開催され、横綱白鵬の30回目の優勝で終了したのであります。安定してゐたねえ。二敗目を喫した時も、まあ白鵬関の優位は動くまいと予想しましたが、果たしてその通りになりました。
それよりも豪栄道関の大関昇進には「唐突」の感がありましたねえ。万年関脇のイメエヂでしたが、白鵬関に連勝したことがポイント高い。さういへば「ぽいんとたかし」といふ漫画家がゐましたが、最近は新刊が無いやうです。どうでもいいけど。

といふことで、今回は『土俵の真実』です。著者はお馴染み杉山邦博氏と、ノンフィクションライター小林照幸氏。立場も世代も違ふ二人が、愛する大相撲を大いに語り合ふのです。特に杉山氏の発言では、貴重な提言も述べられます。その中でも、力士に場所前の「土俵祭」に参加させよといふ提案は早速取り入れられたやうで、杉山氏の影響力の大きさが判らうといふものです。

あの時津風部屋の暴行死事件以降、稽古場における体罰に対して各相撲部屋では必要以上にナアバスになつてゐるさうです。竹刀を持つただけで「やあ体罰だ、やあ暴行だ」と騒がれるのを過度に恐れ、新弟子を甘やかしてしまつてゐる。
ただでさへ飽食時代でハングリーさを失つた日本人の若者が「ぢやあ辞めるよ、こんなところ」と逃げ出しても不思議は無いのです。

親は親で、昔は「一人前になるまで戻つて来るな」と送り出したものが、現在は「辛かつたら、いつでも戻つて来い、地元に良い仕事があるぞ」なんて言ふ。
これでは、まるで腫れ物に触るかのやうな新弟子への対応になるのも頷けると申せませう。杉山氏によれば、入門後一年、二年経つても「股割り」が出来ない取的がゐるさうで、これは衝撃的な話です。あの高見山の「努力と辛抱」は継承されなかつたのでせうか。
杉山氏が、改革派と呼ばれる貴乃花親方に期待を寄せるのももつともな話であります。

小林氏のパートでは、各所で繰り返す杉山氏礼賛が鼻につくとか、杉山氏の分担分では八百長についての言及がまるで欠落してゐるとか、気になる部分はあるものの、全体的には好角家にお勧めの一冊と述べて、今日のところは寝ることにします。

ではまた。

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