源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
東京駅物語
東京駅物語 (文春文庫)東京駅物語 (文春文庫)
(2010/08/04)
北原 亞以子

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東京駅物語
北原亞以子【著】
文藝春秋(文春文庫)刊
2010(平成22)年8月発行


タイトルに惹かれて手に取つた本。時代背景は明治から昭和の終戦あたりまで。
文字通り東京駅にまつはる物語が連作短篇の形で綴られてゐます。登場人物は市井の庶民が中心で、皆それぞれに読者の分身たる部分を有してゐると思はれます。

「質店の歌人」なる称号にこだはる女、自分は特別な存在と自惚れる男、名前と人格を捨てた詐欺師、自殺願望の男、戦死した冴えない男を忘れられぬ女...
悪人らしい悪人は登場しません。しかしどこか自分に似てゐる人たちばかりで、身につまされる思ひがいたします。さういふ男女の無数の物語を、東京駅は何も語らずただ俯瞰するのみであります。
丁寧な作りの職人仕事、といふ形容が浮かぶ小説『東京駅物語』です。
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