源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
プレイボール
プレイボール (1) (集英社文庫―コミック版)プレイボール (1) (集英社文庫―コミック版)
(1996/05)
ちば あきお

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プレイボール 1
ちばあきお【著】
集英社(集英社文庫コミック版)
1996(平成8)年5月発行


今年の「全国高校野球選手権大会」も大詰めを迎へてまゐりました。参考までに述べると、わが母校は愛知大会(予選)の一回戦で見事コールド負けを喫したのであります。

我が家に配達される新聞紙上では、高校野球を舞台とした漫画や映画の特集が組まれてゐましたが、一見して「何か足りない」と思ひました。
『ドカベン』『タッチ』といつた古典から最近の高校野球漫画まで、そのヒーローと語録が紹介されてゐるのですが、紙面を見てわたくしは、「ちばあきお作品が無いぢやないか」とつぶやいたことですなあ。彼の野球漫画はもう忘れ去られたのか?
寂しく思つたので、一般大衆に注意喚起するといふ重大使命のためにも、ここで『プレイボール』を語りたい。なほ、『キャプテン』は中学野球の話であります。

その『キャプテン』で最初の主人公であつた谷口くんが、墨谷中学を卒業し墨谷高校に進学するのですが、その谷口くんの高校ライフを描いたのが『プレイボール』なのです。

中学時代に指の怪我をしたため、高校に入学しても野球は断念せざるを得なかつた谷口くん。そこへサッカー部のキャプテン相木くんが声をかけます。サッカーならできるだらうと。
持ち前の努力と根性でサッカー部でも頭角を現すのですが、ある事件をきつかけに、相木キャプテンは谷口くんの心がいまだ野球にあることを知り、野球部へ転部させるのであります。代打なら活躍できるだらうと。

しかし谷口くんの執念は、代打屋に終らせなかつたのであります。何と曲がつた指のままで、送球の練習をするのでした。
当初はゴロの送球でしたが、その後ノーバウンド送球にも成功します。
ところが、今度は送球を受ける側の野手が谷口くんの球を捕球できません。みんなポロポロエラーする。なぜか?
実は、指にひつかからないやうに投げてゐたのが原因で、知らず知らずのうちに谷口くんはフォークボールを投げてゐたのです。こんなことがあるのでせうか。(後に指の手術を済ませ、スーパー谷口として生れ変ります)

リーダーとしてのしての谷口くんは、俺について来い式ではないやうです。自分の方針をナインに理解されず、反発を喰らふこともしばしば。しかし谷口くんは、ナインに求める以上の試練を自らに与へ、最後にはみんなの心をひとつにしてしまふのです。さういへば投手の松下くんも「だけど谷口さんてふしぎな人だ...たとえやることがなんであろうと またみんなをひっぱりあげてしまった ふしぎな人だ...」と語つてゐました。

さて、ちば漫画といへば擬音・擬態語。オノマトピア。中でも、打者がマスコットバットと二本重ねて素振りをする時の音「カキ カキ」がわたくしのお気に入り。城東高校との練習試合でそれを満喫できます。

一番山本「がんばれよ墨谷っ...」「まかしとけって カキ カキ」⇒ホームラン
二番太田「たのむぞ太田」「まかしとけって! カキ カキ」⇒サード強襲ヒット
三番倉橋「たのむそ倉橋!」「オウヨ!! カキ カキ」⇒センター越二塁打
四番谷口「たのむぞ谷口!」「(無言)カキ カキ」⇒左中間越二塁打
五番山口「さあつづいていこうよ!」「オウヨ!! カキ カキ」⇒ライト前ヒット、送球間に二塁へ
六番中山「さあ中山さんもつづいてくださいよ」「まかしとけって! カキ カキ」...キリがないですな。

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