源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
坊ちゃん重役
坊ちゃん重役 (1959年) (春陽文庫)坊ちゃん重役 (1959年) (春陽文庫)
(1959/11)
中野 実

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坊ちゃん重役

中野実【著】
春陽堂書店(春陽文庫)刊
1959(昭和34)年11月発行


かつては、「ユーモア小説」といふジャンルが厳然として存在してゐました。「ユウモワ小説」などと表記されたりして、見ただけでほのぼのとしますね。
徹底した庶民目線で書かれ、また善玉と悪役は見事なまでにはつきりと区別され、そして必ず勧善懲悪で大団円、といつたところが特徴でせうか。

あまりに牧歌的で、現代人の鑑賞に堪へうるものなのか、まあその辺は返答に窮しますが、昭和20年代後半から30年代にかけて、例へば佐々木邦や源氏鶏太といつた大物を中心に大量に読まれてゐたのであります。
本書の著者中野実も多くのユーモア小説を書きました(本作は戦前の執筆ですが)。「坊ちゃん重役」は代表作のひとつではないでせうか。
快男児が企業内で活躍するお決まりの設定で、一般の評価もほとんどされないと思ひますが、個人的な思ひがあり特にとりあげた次第であります。

時代を感じさせるギャグ(?)があつたので、ひとつ。
登場人物の会話で、ある人物を評するのに「あいつは、やけこえてるからな」といふ発言が。聞かされた相手は何のことか分からずきよとんとしてゐると、「やまけふこえて、の『ま』と『ふ』が抜けてる。つまり間抜けと腑抜けだ」...

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