源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
「できません」と云うな
「できません」と云うな―オムロン創業者立石一真 (新潮文庫)「できません」と云うな―オムロン創業者立石一真 (新潮文庫)
(2011/03/29)
湯谷 昇羊

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「できません」と云うな―オムロン創業者立石一真
湯谷昇羊【著】
新潮社(新潮文庫)刊
2011(平成23)年3月発行


「オムロンとわたくし」
健康診断に行くと、毎回言はれることがあります。「血圧が高い。改善せよ」
しかし何となく看過してしまひ、いたづらに時を過ごしてきました。若い頃は、医者からもあまり強く言はれなかつたこともあり、まあ難しく表現すれば愚図愚図してゐたのであります。

ところが年数も経ち、わたくしも目出度く中高年と呼ばれる年頃になりますと、健診も回を重ねるごとに医者からの圧力が強くなつて参りました。今回は特に、怖い女医さん(小保方晴子さんが肌荒れをしたやうな感じ)に「いつ動脈硬化を起こしても不思議はない。一刻も早く病院へ行き、治療を始めよ。自分でも血圧計を買つて、毎日計測するのだ。この数値で、今まで何もしなかつたとは信じ難い。体重も減らせ」とまくしたてられました。

早速近所の病院で薬をもらひ、さらに血圧計を購買するため家電量販店に立ち寄りました。色色種類がありますね。
下は三千円を切るものから、上は二万円近いものまで価格帯も広い。さすがに二千円台は計測結果の信憑性に不安がありますので、六千円クラスのものを選びました。メーカーはやはりオムロンであります。

半信半疑で飲み始めた薬ですが、これが効果があるのですね。毎日朝晩計測するのですが、たちまち数値が改善されてゆきます。かうなると計測が愉しくなり、必要以上にオムロンの世話になつてゐます。座右にオムロン。



『「できません」と云うな』は、オムロン創業者である立石一真の言葉。立石電機の総帥として名前は聞いてゐましたが、かくもスゴイ人物であるとは、本書を読むまで知りませんでした。
「ズボン・プレス」に始まり、無接点スイッチ、マイクロスイッチ、電子信号機、自動食券販売機、駅の自動改札システム、電動義手、電子医療機器...大手でもまだやらなかつた事業を、まだ中小メーカーだつた立石電機が次々と実現してゆくさまは、感動すら覚えるのであります。

立石一真は、会社の利益を第一に考へなかつた。社会に貢献できる企業を目指したのであります。言ふは易いが、中中難しい。大企業となつた会社が、利益を社会へ還元するといふケースと違ひます。倒産の危機も迎へるほどの中小メーカー時代からそれを実行してゐるのですから。
ゆゑに、どんな注文も断らなかつた。大手企業もまだ出来ないものでも、非常識なほど短い納期でも、まづは「やつてみませう」とばかりに引き受ける。お陰で技術陣は大変だつたらうが、その分鍛へられたことでせう。

松下幸之助や本田宗一郎に匹敵する技術系経営者と言はれますが、本書を読めばそれがすんなりと納得できるでせう。立石一真の生き方を多くの人に知らせたいといふ著者の望みを十二分に叶へる一冊と申せませう。
ぢや、さよなら。

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