源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
時代劇博物館Ⅱ
$源氏川苦心の快楽書肆

時代劇博物館
島野功緒【著】
社会思想社(現代教養文庫)刊
1994(平成6)年7月発行


評判をとつた『時代劇博物館』の続篇。
なぜ正篇をとりあげぬのかといふと、入手出来なかつたからに相違ありません。残念。
著者はかつて新聞社で映画記者の経験をもつだけあつて、そのウンチクには「ほほう」とうなるばかりであります。ひと昔前なら「へえ」でせうか。

主に、時代劇の定番となつたキャラクタアたち。史実とはかなりかけ離れてゐるものが多いやうです。講談などで脚色・潤色が加へられたらしい。
例へば鼠小僧。義賊ではなかつたんだつて。盗んだ金は自らの遊興費に使つてゐたといふ。それなら普通の泥棒ですな。千両箱を担ぐシーンが時代劇によく出てくるけれど、あれは17㎏強あるさうです。簡単に担げるものではないと、苦言を呈してゐます。
また、森の石松。史実では遠州森の生まれではなく愛知県三河産で、なほかつ隻眼でもなく両目がちやんとあつた。それを講釈師の神田伯山なる人が講談向きに変更して、さらに広沢虎造が浪曲化しました。以後その設定で定着した模様であります。
ほかにも「宇都宮釣天井は真赤な偽り」とか、「国定忠治は成金農家のドラ息子」など、興味深く読める話が詰つてゐます。
そして行間から新しい時代劇への不満が読み取れるのであります。どうどう。

最後に味岡喜代治氏との対談形式で「時代劇女優番付」を披露します。戦前編と戦後編に分けて作成してゐますが、さすがに戦前編の女優は馴染が薄いので、わたくしは口を挟む余地はないのであります。
しかし戦後編は...ちよつとこの人は過大評価では?とか、なぜあの人の名前が無い?とか余計なことを考へますね。
ま、さうやつてボヤキながら読むのも一興と申せませう。
正編も早く入手して読まねば...

時代劇博物館〈2〉 (現代教養文庫)/島野 功緒

¥530
Amazon.co.jp

スポンサーサイト
コメント
コメント
コメントの投稿
URL:
本文:
パスワード:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
トラックバック URL
http://genjigawa.blog.fc2.com/tb.php/26-e9cdd1e2
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
トラックバック