源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
鉄道に生きる人たち
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鉄道に生きる人たち
宮脇俊三【著】
中央書院刊
1987(昭和62)年4月発行


宮脇俊三氏が雑誌『運輸界』にて連載した、国鉄(当時)関係者へのインタビュー集であります。
連載は1979-1981年に亘つてゐますが、単行本になつたのは間が空いて1987年になつてから。ゆゑに宮脇氏も「あとがき」にて、「(連載当時から)すでに相当の年月が経っている。(中略)いま速記を読み返してみて、あらためて変りようの激しさに痛いほどの感慨を覚えざるをえない。お話いただいたデータなど、すっかり古くなっている」と述べてゐます。

わづか6-8年ほどでこの変りやうであります。更に25年も経過した今では、もう本書は全く無価値なものでせうか。
いやいやいや。経年したからこそ、この国鉄末期の現場の声がまことに貴重に思へるのです。

車掌や運転士といつた身近な人も登場しますが、多くは一般の人から見ると、裏方と呼ばれる仕事人であります。保線・土木・操車場・ダイヤ作成・駅舎の設計・車両の修理・情報システム管理...
かういふ仕事人たちの素顔に迫る人として、やはり宮脇俊三氏は最適人でせう。
とかく建前で飾りたがるところを、さりげなく本音を引き出すあたりは、文章のみならず話術でも非凡であつたと思はせるのであります。

文庫化もされず、著作集にも未収録の本作ですが、老若男女問はず楽しめる一冊と申せませう。

鉄道に生きる人たち―宮脇俊三対話集/宮脇 俊三

¥1,264
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