源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
長寿遺伝子を鍛える
長寿遺伝子を鍛える (新潮文庫)長寿遺伝子を鍛える (新潮文庫)
(2011/12/24)
坪田 一男

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長寿遺伝子を鍛える
坪田一男【著】
新潮社(新潮文庫)刊
2011(平成23)年12月発行


「長寿」は解る。「遺伝子」もよく聞く言葉であります。しかし「長寿遺伝子」とは何でありませうか。そもそもそんなものが実在するのでせうか。
著者によると、確かにそれは存在し、さらに鍛へることが出来るのださうです。この一冊で、詳しく解説してくれます。ところで著者の本職は眼科医といふことですが、いはゆるアンチエイジングの研究でも専門家のやうです。

日本人は男女とも世界トップクラスの長寿国ですが、それは即ちリタイヤ後の余生が長くなることを意味します。昔は会社の定年と平均寿命が近く、引退後の生活にスポットが当たる事はまれだつたのですが、現在は60歳定年として、男性でも20年は生活しなくてはならない。しかしただ長生きするだけでは勿体ないですな。いかに健康に余生を送れるかが問題であります。その鍵を握るのが、書名にある長寿遺伝子を鍛へる必要があるといふことです。

序盤で、長寿研究の歴史を素人にも解り易く解説してくれます。PCRマシーンとかサーチュインとかNADとか、わたくしなぞは初めて目にする用語が多くて、次の章に進む頃には忘れてしまふくらゐです。
第5章・第7章で紹介される「カロリーリストリクション」=「カロリス」なる概念があります。一般の「ダイエット」とは違ひ、摂取する栄養素のバランスは保つたまま、総カロリーを70%に抑へるといふものらしい。著者だけの提言ではく、世界の専門化の共通認識なのださうです。
また、万能細胞としてのES細胞やiPS細胞の誕生についても言及があります。これを読むと、やはりSTAP細胞みたいな夢の細胞はさう簡単に出来るものではないだらう...と思つてしまひます。ま、いいか。

老化に伴ひ、身体のあちこちに色色不具合が出てきますが、「年齢のため」と諦めることはないと著者は説きます。老化と病気を混同してはいけないといふことですな。医者でさへ「老化現象だからしかたがない」と述べる人が多いのですが、それは「ひどい年齢差別」だと著者は主張してゐます。そして、著者は「現段階で生物学的な人間の寿命と言われる125歳までは、絶対生きるつもりでいる」(第10章より)と高らかに宣言するのです。スゴイ人ですね。

とにかく刺激に満ちた、実に面白い一冊であります。わたくしの文章では面白さが伝はりませんが、何よりも読後に勇気が湧いてくるのでした。
では御一党さま、ご無礼します。

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