源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
心霊科学入門
霊魂の世界―心霊科学入門 (1971年)霊魂の世界―心霊科学入門 (1971年)
(1971)
板谷 松樹、宮沢 虎雄 他

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心霊科学入門
板谷樹/宮沢虎雄【著】
日本心霊科学協会刊
1974(昭和49)年2月発行


いささか毛色の変つたものを。
いはゆる心霊現象を荒唐無稽な馬鹿話として切り捨てる人には無縁な、唾棄すべき書物でありませう。
しかし「心霊科学」といふやうに、これは科学として一つの体系を為してゐます。なかなかうつとりさせるのであります。要するに面白い。
著者の意気込みとしては、冒頭でレオナルド・ダビンチの言葉「知識とは事実の集積である。しかしその事実は実験その他の合理的な方法で、その事実である事が確証されたものでなければならない」を引用し、本書でも観念を捨て事実だけを述べると宣言してゐます。
「ただ困ったのは怪談で、心霊現象を興味本位で誇張、捏造したため、これが正しい心霊現象をも頭から馬鹿にし、また迷信扱いさせる原因となり、心霊科学の普及を著しく遅らせている」とも指摘します。
ちやうどスプーン曲げのニセモノが出現した時に、これをもつて「超能力は存在しない」と主張するやうなものですね。

入門書としては、必要最小限の内容を詰め込んでゐますが、章立てがいまいち分かりにくくなつてゐます。
第三章で有名な「ハイズヴィユ事件」を述べたあとに、第五章「心霊科学について」といふ概観が語られる。
様々な心霊現象(自動書記とかエクトプラズムとか騒々しい幽霊とか)をまづ一通り説明した後、実際の事件を紹介した方が良いでせう。
それから写真については、鑑定済みのものなのか。つのだじろう『うしろの百太郎』は本書を参考文献として紹介してゐますが、登場人物(主人公後一太郎の父である後健太郎)に、妖精の写真は疑はしいと言はせてゐます。確かに我我が抱く一般的な妖精(フェアリー)のイメエヂそのものすぎますね。もつとも、それをもつてニセモノの写真であると断定はできないけれど。
全体としては、当時(35年くらい前)の現状をコムパクトに伝へる好著と思ふのですが、もう入手は難しさうですなあ...ネット書店でも探せません。とりあへず徳間書店のこんなのがあるやうです。

肯定派も否定派も冷静になつて再度考へてみませう。しかし、「何か不思議なもの」がある、と考へた方が面白いと思ひますけどね...

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