源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
相撲百科
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相撲百科
もりたなるお【著】
文藝春秋(文春文庫)刊
1988(昭和63)年7月発行


さまざまな話題を残して一月場所(初場所)は閉幕しました。
千代大海の引退もありましたが、私にとつてはやはり魁皇の新記録でせうかね。
観客席には今場所も杉山邦博さんの姿があり、ほつとしたものです。
ところで初場所といふのは何となく変な名称です。今更ですが。
年二場所時代は、1月が春場所で、5月を夏場所と呼称してゐました。旧暦時代の命名なので、これでいいのでせう。
現在は大阪で開催される三月場所を春場所と呼び、一月場所は初場所となつてゐます。まあ新年初めての場所といふ意味でせうかね。

大相撲はかなりの歴史があるため、なかなか新記録は出ないと思はれるかも知れませんが、どうやらさうでもないやうです。特に「積み重ね式」の記録(今回の魁皇のもさうですね)はまだまだ余地があることが分かります。
相撲の興行自体は大昔からあるものの、今と同じ年6場所制になつたのは1958(昭和33)年、漸く半世紀を過ぎたところなのです。
従つて「最多○○」とか「通算○○」とかいつたたぐひの記録は、まだ今後も更新が続くと私は睨んでゐます。私が睨んでも詮無いことですが。

なぜさういふことを想起したのかといふと、もりたなるお著『相撲百科』を読んで、その記録面の変化を改めて感じたからでございます。
例へば「優勝三回でも大関どまり」の章。戦前の名大関・清水川が三度の優勝をしたにもかかはらず、横綱になれなかつた話を紹介し、不運であつたと述べる。
しかし今や大関どまりの力士でも優勝三回は珍しくないのです。最近は栃東がさうでしたし、千代大海でさへ(失礼)三度の優勝を果たしてゐます。更に大関のまま終るだらうと目されてゐる魁皇にいたつては、五回も最高優勝をしてゐるのであります。

そして現在のモンゴル勢は、連続優勝(朝)・年間全場所制覇(朝)・年間最多勝(白)など、それまでもう破れないだらうといはれた記録を次々に更新してゐます。かつてのハワイ勢など吹つ飛ぶ活躍ぶりであります。
特に白鵬はまだ年齢的に若いので、今後も記録を塗り替る可能性はありますね。

しかし本書は読み物として面白い。後半ほど雑学的な内容になり(まあ一冊まるごと雑学と言へるが...)、最後は問題点で締める。八百長問題も次のやうにいなす。
「お相撲さんも商売だから、たまには、と思っていたほうが、気が楽であろう。
 証拠がないものは、無実とするのが民主主義である。少し筆が滑ったかな」

大人であります。


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