源氏川苦心の快楽書肆
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自分で調べる技術
自分で調べる技術―市民のための調査入門 (岩波アクティブ新書)自分で調べる技術―市民のための調査入門 (岩波アクティブ新書)
(2004/07/06)
宮内 泰介

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自分で調べる技術―市民のための調査入門
宮内泰介【著】
岩波書店(岩波アクティブ新書)刊
2004(平成16)年7月発行

一般人でも調査は難しくない、と著者は述べます。
さう言はれてもやはり尻込みしてしまふのが普通の反応でせう。
著者の言ふ通り、私たちは政府や専門家の「お客さん」に成り下がつてしまつたやうです。
批判し、論評はしますが、自分は何も行動しない。特にマスコミ批判は素人論客の大好物ですね。
マスコミの報道で満足しないのなら、自分で調査してみよう!といふ提言が第1章と申せませう。

第2章では資料・文献調査の方法を教へてくれます。インターネットで調べる人は多いでせうが、調べ方によつては逆効果の場合があるといふことです。いふまでもなく信頼性の問題ですね。これは大方の人が感じてゐるのではないでせうか。趣味性の強いページなどは、発表者の思ひ入れが過ぎて事実を歪めてゐることが間々ございます。
他に文献・新聞・統計資料の入手方法が説明されてゐます。問題はここから......

第3章で、いよいよ「フィールドワーク」の説明に入ります。先入観を排するために、まづ本当にその問題が存在するのかを認識することが必要だと分かります。本書の例を挙げると、少年犯罪が増えてゐる問題について調べたい場合、白書の類に当つてみると、実は少年犯罪は減少し続けてゐることが分かり、そもそもその「問題」は無い、といふことが判明するのであります。
フィールドワークは、聞き取り調査を軸にしながら、観察・体験・記録などを同時にする立体的な作業であると説きます。私などはローカル鉄道の問題などで、せいぜい行政(自治体)に聞いたり、乗客や駅前商店街の人と話をしたりする程度であります。しかし、素人の場合、そんなものぢやないかな、と自分を慰めたりして。

第4章は、「まとめかたとプレゼンテーション」。ほつたらかしてゐると、せっかく集めた資料や記録が散逸しますね。著者は二つ折りのフォルダを推薦してゐますが、まあ自分に合つた方式でもいいでせう。
論文化するに際して、まづアウトラインを、といふ助言はまことに的確でした。実際に頭を使ひ、頭を悩ますのは本文よりもアウトラインであることはしばしばであります。

単なるノウハウ公開の本といふよりも、今日の一般市民の尻を叩くといふ側面が大きいのではないでせうか。
行政やマスコミに文句をつけるだけの日々から脱却しませう! 自分たちのことは自分たちで調べませう!なんて感じですかね。

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