源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
死刑はこうして執行される
死刑はこうして執行される (講談社文庫)死刑はこうして執行される (講談社文庫)
(2006/01/13)
村野 薫

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死刑はこうして執行される
村野薫【著】
講談社(講談社文庫)刊
2006(平成18)年1月発行


日本の死刑制度について簡潔に教へてくれます。
普通なら一般人が見聞できないことでありますので、これは必見であります。

四部構成で、第一章が「ニッポンの死刑」と題されてゐます。本書全体の概要なのですが、なぜ「日本」ではなく「ニッポン」なのか。
私の見るところ、カタカナで「ニッポン」と書く場合、その対象を揶揄したりおちよくつたりする時が考へられます。著者としては、先進国の中で、未だに死刑制度を継続してゐる日本といふ国をちよつと突き放した感じで見てゐるのではないでせうか。

第二章は「「被告」が「死刑囚」になるとき」。死刑判決が地方によつて偏りがあつたり、その時の世論のに流されたり、まあ恣意的であると言つてゐます。
第三章「獄中の日々」では、まさに関係者以外は知り得ない死刑囚の生活ぶりがルポされてゐます。
第四章ではいよいよ「死刑執行」で、執行までの手続きや執行そのものの解説、死体の後始末(!)となかなか辛い内容です。いかに極悪犯人でも、死刑はやはり殺人に変りはないので、執行人とはやるせない仕事であることだなあ。ちなみに「絞首刑」とよく言はれますが、正確には「縊死」ださうです。即ち首吊り自殺の手伝いをすると申せませうか。

ここまでの書きつぷりで分かるやうに、著者は死刑廃止論者ですね。いかなる立場であれ、事実を元に語るならばそれは参考になり教へられるものです。その意味では本書は「読んだ方が良い本」だと思ひます。
気になるのは、制度が形骸化してゐる部分と制度自体に不備がある部分の指摘が「なひ交ぜ」になつてしまひ、更に「先進国では数少ない」とか「冤罪の可能性」の話とかが出てきて、本質からずれた論議にならないか、といふ点であります。(それはそれで大事な要素ですが)。

ま、読む人にとつては余計なお世話ですかな。

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