源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
三億円事件
三億円事件 (新潮文庫)三億円事件 (新潮文庫)
(2002/02/28)
一橋 文哉

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三億円事件
一橋文哉【著】
新潮社(新潮文庫)刊
2002(平成14)年2月発行


12月10日は三億円事件の起きた日であります。もう忘れられた事件の一つなのか、報道などでも語られることはほとんど無いみたいです。私にとつては随分イムパクトがあつた事件なのですがね。
もつとも事件発生は1968(昭和43)年で、当時の私は幼すぎて事件を把握する能力はございません。
7年後の1975(昭和50)年に時効が成立し、再び世間が大騒ぎしたので、その時私は初めて知つたのであります。
時効7年は短いですね。完全撤廃すればいいのに。

このルポが書かれるきつかけとなつたのは、盗まれた500円札の紙幣番号と同じ紙幣を持つ男と著者が接触したことによります。その事実を眼前に突きつけられたら、誰でも愕然とするでありませう。
3億円といつても、10000円札の束で現金輸送ケースが埋められてゐる訳ではないやうです。この3億円といふのは、元々東芝府中の従業員の賞与として輸送されてゐたのです。当時は銀行振込ではなく、一人ずつ現金を袋に入れて渡してゐました。4525人分ださうですから、袋に入れる作業が大変です。銀行がサービスでしてゐたのですね。
ゆゑに、1000円紙幣や500円紙幣も交ぢつてゐたのであります。

著者の取材グループはあらゆる角度から徹底調査をし、関連人物に片端から接触します。
中でも重要な容疑者の一人と目される「先生」と呼ばれる人物へのインタビューは、まるで小説みたいに劇的であります。実際犯罪小説を読んでゐるやうな錯覚に陥ることしばしばでした。

結局「先生」「ジョー」「ロク」の共犯なんですかね。しかし「ロク」は早々と死亡し、「ジョー」は薬物中毒、「先生」は行方をくらませてしまひ、はつきりとした事実は「杳として知れず」といふことです。
関係者も物故者が増えてきたりして、これ以上の取材は難しいか。永遠の謎となるのでせうか。残念。

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