源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
鉄道廃線跡の旅
鉄道廃線跡の旅 (角川文庫)鉄道廃線跡の旅 (角川文庫)
(2003/04/25)
宮脇 俊三

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鉄道廃線跡の旅
宮脇俊三【著】
角川書店(角川文庫)刊
2003(平成15)年4月発行


『鉄道廃線跡の旅』といふ作品名は聞き覚えがないな、と思つたあなた。
騙されてはいけません。これは『七つの廃線跡』(JTB)の改題文庫化であります。
騙されませんか。失礼しました。私は騙されたので。
さらに出自をさかのぼると、JTBキャンブックスの『鉄道廃線跡を歩く』シリーズで、各巻冒頭の紀行エッセイが元になつてゐます。
ま、いくばくかの加筆修正もなされてゐるやうですので、よしとしませう。
たまにこんなことがあるのですよ。以前丸谷才一著『ウナギと山芋』を買つたら、実は『遊び時間3』の改題であつたとかね。それなら持つてゐたのに。丸谷氏は「つい出来ごころで、題を改めました」などとつぶやいてゐました。

鉄道趣味の分野で「廃線跡」といふのが市民権を得たのはいつごろでせうか。私は良くわかりませんが、多分前述の『鉄道廃線跡を歩く』シリーズではないか、といふ気がしてゐます。即ち宮脇俊三氏はこの趣味の広報に貢献したと申せませう。

といひつつ、私にはこの「廃線跡」といふ趣味が今ひとつ理解できません。
鉄道施設の残骸を眺めて喜ぶなんて、私にはできさうもありませんな。悲しすぎます。
同様に「さよなら運転」の類も避けてゐます。号泣するに決つてゐるから。大勢の人たちに泣き顔を見られるのは恥づかしいのであります。
ゆゑに本書のやうな旅は、もつぱら読むだけに限ります。

宮脇氏は主張します。
...かくして廃線跡の探訪は、史跡めぐりと考古学を合わせたような世界になる。それは、消滅した鉄道を懐古する次元をこえて、現存の鉄道に乗るのと廃線跡をたどるのと、どっちがおもしろいかという境地に達する」のださうです。私は修行不足なので、そこまでの境地にはなれませんが。
尚、私の本書のおすすめは「南大東島の砂糖鉄道」。タイトルだけでわくわくするではありませんか。読後感は複雑なものがありますが、名紀行文であります。

それでは、ご無礼します。

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