源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
象は汽車に乗れるか
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(2003/03)
鉄道資料研究会

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象は汽車に乗れるか
鉄道史料研究会【編】
JTB(マイロネBOOKS)刊
2003(平成15)年3月発行

JTBの月刊誌「旅」は2003年に休刊となり、その後新潮社に引き継がれましたが、かなり雰囲気は変つたやうです。実質的には、かつての雑誌「旅」はもう存在しないと申せませう。
この雑誌は歴史も古く、創刊は1924(大正13)年にさかのぼります。本書は、その「旅」の記事で鉄道史を辿らうとする試みであります。書名の『象は汽車にのれるか』は、それらの記事の中のひとつ。

創刊間もない大正末期の記事は面白い。「草津温泉に遊ぶ」といふ旅行記に、「車内のユーモアー」なる記事では二等客と三等客の相違を差別感たつぷりに書いてゐます。
列車内でお互に慎みたい事」では、座席を占領する行儀の悪い客や、深夜でも傍若無人に騒ぐ軍人などと乗り合せた筆者が苦言を呈してゐます。公共マナアを呼びかける記事はもうこの時代にあつたのです。

電車切符の改良を望む」といふ記事は、切符収集を趣味とする筆者が、各種切符を発券する鉄道会社に対し、紙質やデザイン的にもつと改良してくれと注文してゐる文章。何のことは無い、現在の切符収集メイニアと何ら変るところはありません。
紙質については「一番紙質の惡い處では伊勢電鐵の團體券、久留米市筑後電軌、名古屋市電、京津電軌の團體券等は圖抜けて惡いのです
で、切符の縦が長いのはどこどこで何十何ミリ、横が長いのはどこどこで何十何ミリ、さらに短いのは...と偏執狂的であり、笑つてしまひますね。

戦中の「不要不急の旅行はやめませう」の時代、戦後の日本鉄道史最悪の時代を経て、1964(昭和39)年の新幹線開通までを取り上げてゐます。鉄道史的に面白いのはこの辺まででせうね。個人的には「よんさんとお」以降はつまらないと感じてゐます。それでも時刻表は買つてしまひますが。

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