源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
失われた鉄道を求めて
失われた鉄道を求めて (文春文庫)失われた鉄道を求めて (文春文庫)
(2011/05/10)
宮脇 俊三

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失われた鉄道を求めて
宮脇俊三【著】
文藝春秋(文春文庫)刊
2011(平成23)年5月発行


以前、同じ宮脇俊三氏の『鉄道廃線跡の旅』(『七つの廃線跡』改題)なる書物を取り上げたことがございます。
本書はそれ以前の、おそらく著者初の「廃線跡」をテエマにした作品と思はれます。
わたくし自身は廃線跡にはあまり興味はありませんが、宮脇氏の廃線跡紀行にはそそられる。やはり面白いのであります。

しかも路線の選定が渋い。玄人好みと申せませう。
タイトルを列挙しますと、「沖縄県営鉄道」「耶馬溪鉄道」「歌登村営軌道」「草軽電鉄」「出雲鉄道」「サイパン、ティニアンの砂糖鉄道」「日本硫黄沼尻鉄道」。
沖縄県営鉄道は、沖縄戦での爆撃によつて完膚なきまで破壊されたと事情通が言ふ。しかし鉄道は細長い。完全に消滅させるのは案外難しいのであります。どこかにその切れつぱしくらゐはあるだらう、といふことで沖縄まで出かけてしまふのです。

「編集部の加藤保栄君」なる人物が同行します。宮脇氏の見立てでは、記者出身だけに取材力に長けており、観察力の鋭さから歴史家か考古学者に向いてゐるのではないか、といふ人。「はたせるかな最近は歴史小説に筆を染めている」と書いてゐます。さう、実はこの「加藤君」、のちに作家の中村彰彦となるのでした。
さういへば『インド鉄道紀行』では、元俳優の高柳良一氏が編集者として同行してゐましたね。人に歴史あり。

文春文庫の5月新刊。新装版であります。

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