源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
さらば学校技術 実践翻訳の技術
さらば学校英語 実践翻訳の技術 (ちくま学芸文庫)さらば学校英語 実践翻訳の技術 (ちくま学芸文庫)
(2006/12)
別宮 貞徳

商品詳細を見る

さらば学校技術 実践翻訳の技術
別宮貞徳【著】
筑摩書房(ちくま学芸文庫)刊
2006(平成18)年12月発行


1980(昭和55)年に発売された『翻訳の初歩 英文和訳から翻訳へ』(ジャパンタイムズ)の復刻版のやうです。
一部加筆されてゐますが、基本的には現在でも十分通用する内容であると判断されたのでせう。
「さらば学校英語」なるフレイズには、大学受験が目的である実用的ではない英語といふ意味と、英文解釈で使う和訳と翻訳はまるで異なるのだといふ側面を表してゐるのでせう。

この著者は以前にも似たやうな入門書を上梓してゐますが、なぜ又本書を書いたのか。
「はしがき」によると、入門書として発表した『翻訳読本』(講談社現代新書)ですら、難しいといふ声があがつてゐたとか。それでさらに噛み砕いた本書の登場となつたのであります。

したがつて主張するところは『翻訳を学ぶ』『翻訳読本』と変らないのですが、シンプルになつた分、より鮮明に読者に伝はるのではないかと考へます。
例へば「良訳への道」への最初の条件として「日本語を書く」とあります。当り前ぢやん、といふ人はまだ分つてゐない。本書を読む「資格」があると申せませう。
また、「誤訳」に対して世間は手厳しいが、それよりも罪深いのは日本語ならざる文章であるとする。ほとんどの場合は実力不足を糊塗する為に誤魔化さうとして変な日本語になるみたいです。
それに比べたら単純な誤訳はまだマシであります。ま、無いに越したことはありませんが、二葉亭・鴎外以来「名訳」と呼ばれる仕事の数々には、常に誤訳は付き物だとか。

まことに分かりやすい本書でありますが、受験勉強中の高校生なんかは読まない方が良いかも知れませぬ。少なくともテストの点が上がるといふ種類の本ではありません。別宮先生の辛辣な文章を愉しみたいといふなら止めませんが...

スポンサーサイト
コメント
コメント
コメントの投稿
URL:
本文:
パスワード:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
トラックバック URL
http://genjigawa.blog.fc2.com/tb.php/457-45da830a
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
トラックバック