源氏川苦心の快楽書肆
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文学ときどき酒
文学ときどき酒 - 丸谷才一対談集 (中公文庫)文学ときどき酒 - 丸谷才一対談集 (中公文庫)
(2011/06/23)
丸谷 才一

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文学ときどき酒―丸谷才一対談集
丸谷才一【著】
中央公論新社(中公文庫)発行
2011(平成23)年6月発行


中公文庫になつた『文学ときどき酒』を見て、一気に少年時代に遡る心持がしたのであります。
元は1985(昭和60)年に集英社から出版されたもので、26年前といふことになります。
従つて登場する対談相手も時代を感じさせる人ばかりでございます。今では大半が物故者となつてゐます。それだけに貴重な対談集と申せませう。

対談相手は豪華な顔ぶれで、収録順に列挙しますと、吉田健一・河盛好蔵・石川淳・谷崎松子・里見・円地文子・大岡信・篠田一士・ドナルド・キーン・清水徹・高橋康也の各氏であります。
事象を列挙する場合、読点(いはゆるテンですな)を使ふのは本来の使用法ではないと、あるジャーナリストが述べてゐました。さういふ場合は中黒を駆使すればよろしいと。ところがそれをやると、上のやうにドナルドさんとキーンさんが別の人のやうに見えてしまふ。解決策として、ドナルド=キーンと表記すればいいと件のジャーナリストは主張するわけですが、「=」は余り使ひたくない。で、やむなくかういふ表記になつてゐます。

話が脱線したついでに「=」にまつはる思ひ出。昔「Sage(サージュ)」といふ本好きのための雑誌がありました。その雑誌のある号に、筒井康隆さんがアンケートに答へてゐたのですが、「注目する作家」といふ問に対して「バルガスニリョサ」と書いてあつたのです。おそらく手書きで「=」とあつたのを、雑誌編集がカタカナの「ニ」と読み違へたのでせうね。無論これは「バルガス・リョサ」が正しい。これ以来私は「=」の使用をためらふやうになつたのです。

文学ときどき酒といふタイトルに反し、酒を呑んでゐる描写(?)はほとんどありません。が、それはどうでもよろしい。ここは一つ丸谷氏の対談術の巧みさと、文学鑑賞における審美眼の確かさにうつとりしてゐれば良いと思ふのであります。

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