源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
吾輩は猫である
吾輩は猫である (新潮文庫)吾輩は猫である (新潮文庫)
(2003/06)
夏目 漱石

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吾輩は猫である
夏目漱石【著】
新潮社(新潮文庫)刊
2003(平成15)年6月発行

昨日(12月9日)は夏目漱石の没後95年目に当たる日でした。
この『吾輩は猫である』は、わたくしにとつてたいそう思ひ出深い作品であります。
いはゆる児童書以外で、一般の書籍として初めて買つて貰つたのが本書であつたのです。小学六年生でした。
なぜ『猫』かといふと、当時コーヒーのCMで「吾輩は猫である。うちの主人は寝る前だといふのにコーヒーを飲んでゐる...さうか、カフェイン抜きだから寝る前に飲んでも大丈夫なのか...」といふのがありまして(せりふは正確ではない)、『吾輩は猫である』を読んでみたくなつたからであります。もうすぐ中学生だし、かういふものを読んでも問題あるまい...

実際に読むと、コーヒーは登場しませんでしたが、予想以上の面白さに夢中になつたものであります。影響を受けすぎて、当時は普段の会話の中に意味も無く「アンドレア、デル、サルト」「大和魂!」「タカヂアスターゼ」などのフレイズを挿入させてゐました。

本作は元元第一章のみで完結する短篇として発表されました。それが好評だつたので連載が続き、かかる長篇小説の体をなしてゐる、といふのは有名な話。
したがつてこれといつた物語の筋はございません。映画やアニメでは寒月君と富子の恋愛に重きを置いた演出が多かつたやうな記憶があります。
また、吾輩は犬であるなどのパロディを数多く生んでゐて、その数は数え切れぬほどであります。ちなみに「我が肺は2コである」の駄洒落を最初に活字にしたのはさだまさしさんらしい。

で、本書との付き合ひ方としては、別段大文豪の代表作だからといつて畏まる必要は全くありません。たとへば、①猫の目を通して、当時の社会風俗などが分かつて面白い(同時に、昔も今も変らぬ人間の物悲しさも)。②漱石先生の生活ぶりが窺はれて微笑ましい。③苦沙弥先生の家に集う迷亭君や寒月君との落語調の会話が愉快だ。といつたところでせうか。
書名は知つてゐるが、読んだことはないといふ人が多いらしいので、該当の方は是非読むとよろしからう。と勘考する次第であります。

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