源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
ペーパーバック入門
ペーパーバック入門 (講談社現代新書)ペーパーバック入門 (講談社現代新書)
(1986/02)
枝川 公一

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ペーパーバック入門
枝川公一【著】
講談社(講談社現代新書)刊
1986(昭和61)年2月発行


先日、枝川公一氏の訃報を新聞で読む。しかし亡くなつた日が8月15日だといひます。2ヵ月以上も公表されなかつたのは、遺族の意向なのでせうか。
実は同日に赤瀬川原平さんの死亡記事も載つてゐたのですが、おそらくメディアでの扱ひが小さいであらう枝川氏に、ここでは登場してもらふことにしませう。

テエマはペーパーバック。わたくしとペーパーバックのつきあひの始まりは、北九州市小倉出身のK先生がくれた一冊であります。それはジェームズ・ボールドウィンの『ノーツ・オブ・ア・ネイティブ・サン』(バンタム)でした。なぜ本書を推薦したのか、定かではありません。
初めて自ら選んで書店で購入したのは、ヘミングウェイ二冊であります。即ち『女のいない男たち』『老人と海』(いづれもバンタム)。まだ高校生だつたので、正確な理解には達してゐなかつたと思はれますが、「原書」で読んだといふ喜びで満足した記憶があります。

本書で枝川氏も薦めるやうに、イキナリ原書は難しい場合、リトールド版で挑戦するのも手であります。わたくしもジャック・ロンドンほか数名の作家をこれで読みました。
しかしこれまた枝川氏の指摘通り、リトールドは離乳食みたいなもので、読みやすいけれども単調で面白みに欠けるので、わたくしの読書習慣からは自然消滅しました。

枝川氏はペーパーバックの定義から歴史、現状(といつても古いが)を解りやすく解説し、選び方、読み方、買ひ方を教へてくれます。さらに注目作家にも触れ、後年日本でも大大大ベストセラア作家となる「シドニー・シェルドン(当時の表記)」にも言及してゐます。
もつとも枝川氏はアメリカンにのめり込んでゐますので、英語圏の事情にとどまり、既に仏語を第一外国語にしてゐたわたくしは自力で本を探したものであります。さう大層なことでもないけど。

英語に関しては名古屋でもおほむね揃ふのですが、仏語になると、充実した品揃への書店といへばやはり東京にしかありませんでした。「青春18きっぷ」の時期に「大垣夜行」(ムーンライトながらの前身)を駆使して、わざわざ東京まで本を探しに行つたものです。ま、遊びも兼ねてましたが。
その中でも「フランス図書」といふ専門店は欲しい本だらけで困つたものです。ボリス・ヴィアンやイヴ・シモンとかはほぼ全部ここで買ひました。本以外にも、ヴィアンのジャズのテープとか、カミュの自作朗読のテープなども同様に求めたことであるなあ。
ま、それら全部隅から隅まで読んだのかと問はれると返答に困るところですが。

枝川公一さんの記事をきつかけに、そんなことをぐるぐると思ひ出した日でありました。

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