源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
プロ野球 優勝その陰のドラマ
IMG_0198.jpg  プロ野球 優勝その陰のドラマ (新潮文庫)

プロ野球 優勝その陰のドラマ
近藤唯之【著】
新潮社(新潮文庫)刊
1989(平成元)年5月発行


今年の日本シリーズでは、福岡ソフトバンクホークスなるティームが阪神タイガースと名乗るティームを破り、三年ぶりの日本一に輝いたさうです。
ホークスはパシフィック・リーグ王者ですが、タイガースはセントラル・リーグのペナントレースでは2位に終つたティームであります。それがご存知のとおりクライマックス・シリーズ(CS)とかいふ制度により、優勝した讀賣ジャイアンツ球団を圧倒し日本シリーズへの出場権を得た訳であります。

朝日新聞社の名物編集委員・西村欣也氏が、日本シリーズの権威を鑑み、反論は覚悟の上だが、やはりCSを勝ち上つて日本シリーズに進出したティームを優勝とした方が良いんぢやないかと提言してゐました。まあ、ペナントレースの経過を重視するのか、日本シリーズの価値を重んずるかの議論となりさうですが、西村氏は後者を取る、といふことでせう。
それほど「優勝」の二文字は野球人にとつて特別なものです。近藤唯之著『プロ野球 優勝その陰のドラマ』では、その優勝そして日本一を勝ち取るために、何のケレンみもなく血道をあげる男たちの姿が描かれてゐます。

武蔵と小次郎の巌流島に準へる水原と三原の対決、日本一になつても長島の引退の陰に隠れた金田監督の不幸、降雨コールドゲームのお陰で初優勝に大きく前進した広島東洋、「動かない」哲学で燕を日本一にした広岡監督、優勝は逃したがロッテとのダブルヘッダーで日本中を興奮させた仰木近鉄...

優勝のドラマなのに、なぜか物悲しさを漂はせる筆致であります。サラリーマンの悲哀にも通づるやうな...
栄誉のため血眼になり戦ふ男たちの姿を見ますと、やはりペナントレースで三位に留まつたティームにも日本一の可能性がある制度では、「優勝」の感激も違ふものになつてしまひさうな気がします。今後も議論が繰返されることでせう。

ぢやあまた。

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