源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
「普天間」交渉秘録
「普天間」交渉秘録 (新潮文庫)「普天間」交渉秘録 (新潮文庫)
(2012/08/27)
守屋 武昌

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「普天間」交渉秘録
守屋武昌【著】
新潮社(新潮文庫)刊
2012(平成24)年8月発行



先日の沖縄県知事選では、三選を目論んだ現職の仲井眞弘多氏(自民党が推薦)が落選し、前那覇市長の翁長雄志氏(社民・共産・生活などが支援)が初当選するといふ結果になりました。
なぜ沖縄の知事選にかくも耳目が注がれるのか。いふまでもなく、基地問題があるからですな。政府与党は、自らの政策を実行する上で都合の良い人を送り出せるかどうか。地元としては、国の言ひなりにならず県民の意思を強く主張できる人を当選させたい。
沖縄県ならではの争点なので、他県の者には見えにくいところがあります。或は故意に本質を理解させないやうにする向きがあるのではないでせうか。

『「普天間」交渉秘録』の著者、守屋武昌氏は防衛省の防衛事務次官にまで登りつめた人。防衛庁を省に昇格させる際には、水面下で八面六臂の活躍をしたといふことです。
当時の小池防衛大臣の不興を買つたり、山田洋行事件で有罪になつたりと、マスコミの報道しか知らないわたくしとしては、それまでの守屋氏のイメエヂは芳しくないものでした。
しかし本書を読みますと、真相はもつと裏がありさうです。無論人間は皆自分が可愛いので、都合の悪いことは出さないし、逆に実績となることは強調したくなるものです。
さはさりながら、さういふ面を割り引いても、この普天間問題については「ちよつとをかしいぞ」と首を傾げたくなる事象が多多ございます。

「普天間」の危険性は誰もが認識してゐるのに、一向に事が進まないのはなぜか。一体誰がこの問題を引き延ばしてゐるのか、本当の二枚舌は誰か...守屋氏の日記から垣間見える風景は、我我がマスコミ報道で知らされたそれとは、かなりの乖離があると申せませう。
守屋氏は「本書は特定の個人を貶めるために書かれたものではない」と述べてゐますが、本書の内容はどう読んでも「悪者」は特定されてゐます。事実なら怪しからぬことであります。

この問題は、一部の人間にとつては解決を先延ばしするほど果実の恩恵を享受できるのださうです。また首長らは沖縄県民向けと日本政府向けの二つの顔を使ひ分け、地元からは票を、国からはカネを得ることに腐心してゐるとか。
結局自らの地位の延命をはかる一派が、当初は志が高かつたかもしれませんが、国との折衝を重ねるにつれ、ウマミを感じるやうになつたのでせうか。

本書で名指しされた方方は、反論したのかこれから反論するつもりなのか、それとも「あんな奴の云ふこと、一々気にしとれるかい」と無視するのか。何らかの反応が欲しいところであります。
それにしても、大臣といふもの、他愛無いものですなあ(もちろん中には能力が高い人もゐるが)。政治主導はいいけれど、脱官僚とか言つて敵対関係を作るのは愚の骨頂と申せませう。

さて今回新たに知事となつた翁長氏は、辺野古移転に反対し、国外(県外)への移設を主張してゐます。また揉めさうですなあ。本当に「最後は金目でしょ」になつてしまふのか...

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