源氏川苦心の快楽書肆
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徳川家康歴史紀行5000キロ
徳川家康歴史紀行5000キロ (講談社文庫)徳川家康歴史紀行5000キロ (講談社文庫)
(1998/04)
宮脇 俊三

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徳川家康歴史紀行5000キロ

宮脇俊三【著】
講談社(講談社文庫)刊
1998(平成10)年4月発行


本書のそもそもの成立ちは、1981(昭和56)年に刊行が始まつた『山岡荘八全集』の月報として執筆されたものださうです。全巻分ではなく、そのうちの「徳川家康」13巻分のみですが、それでも一冊の本になる分量であります。
かつて「全集」が華やかだつた頃、わたくしも色色と購買したものであります。その内容はほとんど単行本や文庫本などで所持してゐるにも拘らず、新たに配本されるとわくわくして書店に向つたものだなむ。
「全集」の愉しみのひとつが、毎回新たに書き下ろされる「月報」。だいたい4-12頁くらゐの薄つぺらい体裁ですが、中中読ませるものが多いのです。

宮脇氏による『徳川家康歴史紀行5000キロ』(元の題は『徳川家康タイムトラベル』。文庫化時に改題)も、「月報」から生れた傑作のひとつと申せませう。
家康の足跡を辿る旅なので、素直に列車に乗るだけではなく、歴史に忠実にバスやタクシーを積極的に駆使するところが通常の宮脇氏の旅と違ふところです。
む、これは晩年のライフワークとなつた「日本通史の旅」のルーツではあるまいか、と思つた方も多いでせう。実際、著者はこれ以降、歴史をなぞる旅の面白さに惹かれていくやうです。個人的には、廃線跡紀行よりも遥かに良いと勘考するのもです。

松平郷や岡崎城、小牧・長久手の合戦など、家康だけあつて愛知県が多く登場するのも嬉しい。特に松平なんか、ウチからクルマで15分で行けます。高月院は国道301号沿にあり、周囲は鄙びた雰囲気。松平タクシーも健在。しかし豊栄交通の傘下に入つてゐます。
歴史に造詣の深い宮脇氏の文章を読むと、今まで史跡名刹を知らずに通過してきたのが悔やまれます。遠くへ行つて得意になるのも良いが、まづ地元をもつと歩いてみませう。

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