源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
スシとニンジャ
スシとニンジャ (講談社文庫)スシとニンジャ (講談社文庫)
(1995/10)
清水 義範

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スシとニンジャ

清水義範【著】
講談社(講談社文庫)刊
1995(平成7)年10月発行


もう3日になりましたが、新年明けましておめでとうございます。
新年といへばめでたいものであります。今年は数年ぶりに三が日休めました。まあ休んだからといつて何か立派なことをするわけでもないのですが。
初詣は地元の挙母神社へ行く。元日は大混雑するだらうと思ひ回避し、2日に行つたのですが、それでも大行列でした。どれだけ待てば良いのか見当も付かなかつたので、フルコースは断念して御参りだけにして、はふはふの体で切り上げたのであります。

そして初夢。毎年ろくな初夢を見ないのですがね。
わたくしが何やらテレビ番組を見てゐます。どうもクイズ番組のやうです。どんな問題かといふと、「おなかいつぱい食べた時の形容は?」みたいな質問。頭の中で「たらふく」かな?と考へてゐたら、正解は「ゆくれつしゆ(yukuressyu)」だといふ。例文「僕はおせち料理をゆくれつしゆ食べました」。 
夢の中のわたくしは、ああさうか、確かに「ゆくれつしゆ」だよな、などと納得してゐます。スタジオ解答者の中で正解したのは、辰巳琢郎さんただ一人でした。いやあ、さすが辰巳さんですねえ、などと司会者や他の出演者から称賛を受けて...

そこでわたくしは目を覚ましたのであります。さすがに冷静な頭になつて、馬鹿らしくなりました。何が「ゆくれつしゆ」だよ。阿呆らしい。
しかしまあ不吉な夢でもないし、そこそこの正月を迎へたと申せませう。

正月といへば清水義範氏。別段決つてゐるわけではありませんが、目出度い正月に清水氏の作品はぴつたりといふことで、この数年は清水作品で年初めを迎へるのが恒例となつてゐます。
そこで今年は『スシとニンジャ』。
『スシとニンジャ』は、ブシとニンジャに憧れて日本にやつて来た22歳の米国青年、ジム・ストーニーくんの体験記といふ形をとつた小説であります。

実際に来日すると、普通の都会に洋服を来た男女が忙しく闊歩し、ブシやニンジャは見当たらず、キモノを着た女性もほとんど見かけないことに軽い失望を感じます。予備知識を仕入れてきたジム君ですらさうなのです。
ジム君は観光中に、サクラギ・リエなる若い女性の知己を得ます。親切な彼女のお陰で、日本滞在はまことに充実したものになつたのであります。
しかしリエはなぜここまで親切なのか? ちよつと不自然なくらゐです。これにはやはり理由があつたのですねえ。リエの目的とは...

好青年ジム君の目を通した日本。ダニエル・カールさんによると、これは自分のことだ!と感じたと言ひます。異なる文化が交はる時に生じる摩擦といふものが、当人には申し訳ないが、傍からは面白くて仕方がないのです。ここから教訓を導いても良いですが、ここではお屠蘇気分に浸りニヤニヤしながら読めば、実に愉しい一冊と申せませう。

そんなわけで、今年もまたよろしくお願ひいたします。ぢやあまた、ご無礼します。

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