源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
汽車との散歩
汽車との散歩汽車との散歩
(2007/03)
宮脇 俊三

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汽車との散歩

宮脇俊三【著】
グラフ社刊
2007(平成19)年3月発行


終着駅は始発駅』に続く、著者二冊目の随筆集であります。
各所に発表したエッセイなどが中心に編まれてゐますので、内容は雑多でありますが、宮脇氏のいはば全盛期に当たる時期の筆ですので、まことに滋味溢れる文章揃いなのです。

どんなに短い文章にも、汽車旅に対する無上の喜びが滲み出てゐるのが良い。限りない愛情。知識をひけらかすこともなく、むしろ知らないふりをしながら、読者に優越感を感じさせ同時にさはやかな感動を与へてくれます。まあ、近年は何かにつけ刺激に満ちたものが横行してゐますので、さういふ風潮に慣れた現在の読者が、宮脇氏の著作にどれだけ満足するのか若干の不安はありますが。

ご本人は自らをマニアと自認してゐるやうですが、本書を読むと、現在でいふテツの範疇を超え、人生の達人といふ趣きを与へるのであります。わたくしとしては、近年若干常軌を逸する傾向がある「テツ」たちに、「宮脇氏を見習ひ、まづは常識人たれ」とつぶやきたい気分なのです。

本書に於ける弊害としては、テツではないわたくしまで、汽車旅に出かけたくなり、果ては禁断症状が出てくるところですかな。ああ、西でも東でも良いから、乗りに行きたい喃。

なほ、わたくしが所有するのは新潮社から単行本として発行されたものですが、その後の文庫版ともども絶版のやうであります。ここでは入手しやすいグラフ社からの復刻版を挙げておきます。

では今日はこんなところで。ご無礼いたします。

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