源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
『金縛り』の謎を見た!
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「金縛り」の謎を見た! (サラ・ブックス―恐怖シリーズ (411))
『金縛り』の謎を見た!

中岡俊哉【著】
二見書房(サラ・ブックス)刊
1985(昭和60)年12月発行


高校時代の恩師で国語教師のM先生はよく、自分は金縛りになるのだと半ば自慢気に語つてゐたものです。

M先生「あー、寝てゐる時も起きてゐる時もお構ひなしになるんですねえ。こんな時、刃物を持つた悪人がやつてきたらイチコロなので、怖いですねえ。でも私は金縛りになつても直ぐに解く術を体得しましてねえ、それ以来金縛りは怖くなくなりましたねえ」
源氏川苦心「それは一体どんな方法ですか?」
M先生「それは、教へないですけどねえ」
源氏川苦心「無慈悲な。ぜひ教へてくださいよ」
M先生「それより苦心君、先日の試験、全く勉強してませんね? 君にしてはかなり悪い出来ですよ」
源氏川苦心「ははあ」

話はそれきりで終ひとなりました。今でも気になるのですが、案外出まかせで発言したのかも知れません。
中岡俊哉著『「金縛り」の謎を見た!』によると、金縛りは元々、誰かが別の誰かに対してかける「術」として捉へられてゐたさうです。即ち、加害者と被害者が明確に存在してゐたと。
そしてもつとも「金縛り」といふ言葉が使はれてゐたのは桃山時代で、当時は「不動金縛り」と呼ばれてゐたさうです。凄味が増すネイミングであります。不動尊が悪い奴を懲らしめるために、身動きできないやうにかけた術といふ説が有力だとか。

金縛りの原因と考へられてゐるのは、
 ①精神的疲労が原因のもの
 ②肉体的疲労が原因のもの
 ③霊的作用が原因のもの
の三種類なのださうです。そして対処法も原因別に述べてゐますが、現実に金縛りになつた時に、「えーと今の金縛りは肉体的疲労かな、最近休日を取れてない上に残業続きだし。否、やつぱり精神的疲労だらうか」などと冷静に分析できないのではありますまいか。

著者がかつて某高等学校にて調査した結果では、③の霊的作用が原因のものは少なく、たいがい①か②、あるいはケシカラヌことに、目の前の困難(テスト勉強とか)から逃避したくて金縛りになつたと嘘をついてゐたケースもあるさうです。インチキな自称霊能者が、高額な報酬に目がくらみ霊的作用のためと偽ることもあり、こんな輩がゐるから少数ながら存在する、真に③が原因の人が迷惑をするのであります。

多忙な芸能人などは、①②が原因のことが多いらしい。本書でも金縛り経験者として、松岡きっこ・芦川よしみ・ジュディ オング・おすぎ・大川橋蔵・夏目雅子・江利チエミ・石原裕次郎・勝新太郎・宮城千賀子・岡田奈々・森進一など(敬称略)の体験が紹介されてゐます。

で、肝心のメカニズムについては、結局よく分かつてゐないのが事実のやうで、そもそも医者や科学者は、気のせいとから迷信だとかで片づける人が多く研究も進んでゐないといふことです。
確かに改めて書名を見ると「『金縛り』の謎を見た!」であつて、謎を解明したとは書いてゐませんね。
まあ学術書ではないから、良しとしますか。

さて、今から寝るのですが、寝る前に読む本ではありませんね。何事も起こらぬことを願ふものであることだなあ。

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