源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
世紀末のプロ野球
世紀末のプロ野球 (角川文庫)世紀末のプロ野球 (角川文庫)
(1986/08)
草野 進

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世紀末のプロ野球

草野進【著】
角川書店(角川文庫)刊
1986(昭和61)年8月発行


今年もプロ野球が開幕して早くも三週間が経過、我が燕ティームはまづまづの滑り出しであると申せませう。なんだかんだ言つて、わたくしどもの世代はプロ野球に関心があるのですなあ。
そこで『世紀末のプロ野球』。念の為に言ふと、世紀末とは20世紀末のことであります。1986年の発行。

著者の草野進さんは、謎の女性といふ触れ込みでしたが、どうやら今では蓮實重彦氏のペンネームであることが定説化してゐるやうです。それはどうでもいい。問題は書物の内容であります。
ところで、草野進さんのツイッターの写真は、かつての東宝女優、田村奈巳さんですね。なぜ彼女の写真なのか分かりませんが、わたくしの好きな女優でした。おそらくこの写真は、『ウルトラセブン』の「超兵器R1号」に出演した時のものでせう。この作品についても語りたいところですが、本筋から外れますので又の機会を待つことにします。

で、著者はのつけから「プロ野球は二十世紀とともに滅びる」と宣言。「二〇〇一年、ベースボールはもはやスポーツとしては存在しえなくなっているのではないか
とりあへず予言は外れたけれど、草野進さんが嘆くプロ野球側、ファン側双方の問題点は解決するどころか、進行の一途を辿りそれは定着化したやうに見えます。と言ふことは、実は世紀末どころか1980年代には「プロ野球」は滅んでゐたのかも知れません。

もつとも著者の主張を一つ一つ真面目に受け止めてゐると、莫迦莫迦しくなることもあります。ちやうど居酒屋なんかで呑みながら無責任に管を巻く時の話題に似てゐます。特に選手ごとの評は完全に個人的見解と言ふべきもので、反発する人も多いでせう。
ただ、著者が「プロ野球は、いま、とても悲しい。ただ、ひたすらに悲しい」と慨嘆するその理由については、大いに首肯できるものであります。
プロ野球好きを自称する人たちが、ベースボールに興味を示さない。各種記録の数字には通暁する人が、どの試合が好きなのかを問はれても答へられない。彼らは球場で試合を観ることよりも、プロ野球について語ることが好きで、さいうふ物語の中に自分を見出すことが好きなだけであると。

確かにテレビ観戦は便利であります。しかしアレは「この試合はここに注目せよ」とばかりに、カメラで我我の興味を誘導してしまひます。真に見たい場面を映してはくれません。一方、球場で観る試合は、しつかり観てゐないと「ん? 今何が起こつた?」と戸惑ふことが多い。別段場内マイクで実況があるわけではないですからな。これを不便と捉へる人が多い以上、著者の悲しみは深まるばかりです。

まあしかし、あまり屁理屈をこねずに一読すれば、愉快で捧腹絶倒の一冊とも申せませう。まづは、ナゴヤドームへ行つて中日ドラゴンズ×東京ヤクルトスワローズの試合を観戦することにします。ぢやあまた。

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