源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
名古屋「駅名」の謎
無題

名古屋「駅名」の謎 「中部」から日本史が見えてくる

谷川彰英【著】
祥伝社(祥伝社黄金文庫)刊
2012(平成24)年9月発行

谷川彰英氏は、地名研究で有名な人。「駅名」の謎シリーズでは、既に「大阪」「京都・奈良」「東京」があり、本書は第四弾といふことになります。
本書にも断りがありますが、「名古屋」と言ひつつ、市外の尾張や三河、果ては岐阜県の美濃まで範囲を広げてゐます。これは、「名古屋鉄道(名鉄)」の沿線範囲を考慮した結果のやうです。

わたくしは地元ですので、登場する駅名はすべて存じてゐますが(冒頭の「駅名検定」は当然満点を取りました)、その由来については知らない事も多く、中中興味深いものがあります。最近、他県から来た人に「何でこんな地名になつたの?」と聞かれる事も増えてきてゐまして、本書をカンニングペーパーにしやうといふ魂胆もあります。

例へば―
(かつては「サコ」と発音)と栄生(サコオ)の関連は、ああやつぱりといふ感想。
黒川が人名(黒川治愿氏)に由来してゐたとは知りませんでした。
鶴舞(ツルマ&ツルマイ)問題は、由来からすれば「ツルマ」なんでせうが、名古屋人が発音すれば「ツルマ」も「ツルマイ」も「つるみやあ」になるので、地元では余り拘泥してゐないとか。
・豊川市の「国府(こう)」は最近よその人にも知られる事が多くなりました。豊田市駅で、東北弁の男性二人組の会話をぼんやり聞いてゐると、一人は国府を正しく「こう」と読み、もう一人の男性は「へえ、あれをコウと読むのか」と路線図を見上げながら感心してゐました。国府高校(こうこうこう)もあります。
・わたくしの好きな駅名「前後」は、元元「東海道に向ひ前の郷=前郷」から前後に転じたさうです。豊明市には「阿野」「前後」の二駅がありましたが、豊明の中心駅として期待を込め「阿野」を「豊明」に改称しました。しかしその後、案に相違して「前後」周辺が開発され、実態としてはこちらが中心駅となりました。予想が外れた形ですが、「前後」が残つて良かつた喃。

あまり専門的に深く踏み込んでゐない分(踏み込まれても素人には困るが)、門外漢にも気軽に読め、ここで仕入れた知識を周囲にひけらかして、刹那的な(つまり外交辞令的な)尊敬を受けることも可能であります。
それにしても地名は面白いですなあ。



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