源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
日本共産党の戦後秘史
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日本共産党の戦後秘史

兵本達吉【著】
新潮社(新潮文庫)刊
2008(平成20)年11月発行

相変らずの野党総崩れの中で、日本共産党はわりかしブイブイ言はせてをります。いはゆる「共産党アレルギー」の症状が軽い若い人たちの支持が増えてゐるさうであります。その政策の是非はともかく、旗幟鮮明さが受けてゐるのでせうか。
さう言へば前回の選挙期間中、我が町を訪れた自民党の谷垣幹事長が応援演説の中で、「国民に自分たちのやりたい事を示せる野党は唯一つ、それは日本共産党であります」と述べてゐました。但しすぐそのあとに、「しかし我々は共産党と一緒にやる訳には参りません」と付け加へてゐましたが。

日本共産党(以下、「共産党」と記す)自身も、かつてのガチガチの姿勢から少しづつ変化を見せてゐますね。志位和夫委員長の「ソフト路線」とやらも定着したかのやうです。「選挙協力」を呼びかけるなんて、今までの共産党では、沖縄以外ではまづ考へられなかつたでせう。もつとも、今のところ他党からの色よい返事は無いみたいですが。

さて、そんな共産党ですが、一体どのやうな党だつたのか。かつての党員である、兵本達吉氏が力瘤を入れて執筆した力作がこの『日本共産党の戦後秘史』であります。
無味乾燥な「党史」ではなく(後半はちよつと無味乾燥だが)、著者自らも党員として関はつた立場からの「秘史」でありますので、生々しい内容も含まれてゐます。
兵本氏はスパイ容疑で共産党を除名処分された身でありますからか、個人的な恨みつらみも適当にブレンドされた、辛口の一冊と申せませう。袴田里見・宮本顕治・野坂参三ら共産党の重鎮たちもクズ人間扱ひして躊躇ふところはありません。

いはゆる「五〇年問題」を始めとする党の暗黒史を省みる事なく、党名の改名を勧められたら「改名をする時は、悪いことをした時ですから」としやあしやあと述べる姿勢では、いかに現在綺麗事を並べても本格的な支持は得られないでせうね。
読んで愉しい一冊ではなくて恐縮であります。ぢや、又。



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