源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
〈図解〉日本三大都市 未完の鉄道路線
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〈図解〉日本三大都市 未完の鉄道路線 昭和から平成へ、東京・大阪・名古屋の未来を変える計画の真実

川島令三【著】
講談社(講談社+α文庫)刊
2008(平成20)年10月発行

本書の元版は、かつて産調出版から出た『三大都市圏の鉄道計画はこうだった』であります。この本は持つてゐますが、文庫化にあたり、本書と『日本三大都市 幻の鉄道計画』の二冊に分冊化し、内容を大幅に修正・加筆してゐますので、改めて購買したものであります。どんな内容であらうが、プラスアルファ文庫の川島本はすべて「図解」を冠するのだな、と再確認したところです。本書のどこに「図解」が有るのでせうか。ひよつとして路線図の事を差してゐるのかな? 

と、ひとまづ表題にいちやもんを付けた後で本書を捲ります。
「PART1」は「昭和40年代から都市交通審議会最終答申まで」。川島氏の著作は、本番に入る前に長い長い前振りがあります。余りに長すぎて肝心の本題が後半にちよびつと述べられるだけ、といふのもありました。本書の場合、言ふなればこのPART1がその前振りに相当しませうか。
そして「PART2」がいよいよ「最近まであった知られざる計画、そして将来」。三大都市それぞれについて述べてゐますが、わたくしは愛知県人なのでまづ名古屋のパートを見ます。東京が圧倒的な分量を占める反面、残念ながら名古屋の頁はかなり少ない。人口規模やクルマ依存社会などの理由がありますから、詮無いけれど。

川島氏も名古屋圏の鉄道については、後ろ向きの話が多いと嘆いてゐます。かつては先進的な土地柄だつただけに、まことに残念。ピーチライナー(桃花台新交通。名鉄小牧線小牧駅から桃花台ニュータウンまでの新交通システム)の廃止も無念であります。
そもそも小牧線上飯田から地下鉄平安通までが未開通なのに、先にこちらを開通させても意味が薄かつたと申せませう。川島氏の指摘通り、未開通部分の桃花台東~高蔵寺を先に開通させるべきでした。

わが豊田市については、名鉄三河線の複線化が挙げられてゐます。それも重要ですが、名古屋からの直通化・高速化が喫緊の課題と申せませう。
わが市には、なにがしといふ有名な自動車メーカーがあり、東京からもわんさかビジネス客が来訪します。(なんでこんな不便なところに本社が有るんだよ)と不満を表明する人も多い。東京から名古屋へ移動する時間と、名古屋から豊田まで到達する時間がほぼ同じなのだから、その意見には大いに首肯するところです。
現在の鉄道アクセスとしては、地下鉄鶴舞線~名鉄豊田線のルートと、名鉄本線~名鉄三河線の2ルートが一般的。前者はすべて各駅停車なのでうんざりする。後者は遠回りの上、三河線乗換がネック(単線)。トヨタ本社前には折角愛知環状鉄道線(愛環線)の「三河豊田」駅があるのに、この路線は名古屋からの放射状レールと有機的に関つてゐません。
そこで、名鉄では将来のリニア開通に合せて、名古屋~豊田市間の直通特急を走らせる計画を立ててゐます。

しかし、私見ではそれでは不十分と見ます。では、どうするか。
リニア中央新幹線では、中津川付近に「岐阜県駅」が出来る事が決まつてゐます。ここから一気に豊田へ通すのであります。愛環線は現在の終着駅は「高蔵寺」ですが、国鉄岡多線時代は、その名の通り(岡崎の「岡」と多治見の「多」)多治見を目指してゐました。この路線を実現化し、中津川新駅~多治見~三河豊田の直通特急(名称は快速でも何でも良いが)を走らせるのであります。関東の人は大喜びすること、間違ひなしです。
ただ、名古屋を素通りすることになるので、名古屋財界は反対することでせうね。本書を読んでも分かりますが、利用者の便を考えるよりも、政治的思惑で決まる路線の何と多いことでせう。

おお、いつの間にか地元の話ばかりしてゐました。これはご無礼しました。ぢや、また。



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