源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
やっとかめ探偵団
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やっとかめ探偵団

清水義範【著】
光文社(光文社文庫)刊
1988(昭和63)年5月発行

2016年も無事に明けました。皆さま新年おめでとうございます。
子供の頃は、2016年が来るなんて思ひもしませんでした。1999年7月に「恐怖の大王」がやつて来て、この世は滅びるものだと、何となく感じてゐたものです。それがジェッターマルスの2015年も過ぎてしまつたとは、感慨深いものがあります。

元日は年賀状の確認。返事を出すべき人には出す。その後、何となく雑煮みたいなものを食す。切り餅は越後製菓。高橋英樹さんがバンバンやるやつです。初詣は地元の挙母神社。人が多いので適当に済ませます。

初夢はまた不思議なものでした。登場人物は、最後に会つてからもう10年以上経つ女性。もうその存在すら忘れてゐた人物なのに、この貴重な初夢に登場したのであります。しかも途中から彼女は、知らぬ間に別人になつてゐました。どうやらお茶の間タレントみたいです。名前も知らない芸能人が夢に出るとは、どういふ訳でせうか。

その後外出し、彼方此方をぶらぶら。現在は元日から営業する店舗も多いので助かります。子供の頃、少なくとも三が日は買物が出来なかつたことを思へば、便利になつたものであります。活中としては、本屋にも行きます。寒いのでトイレが近い。珍しく本屋のトイレを拝借。これは青木まりこ現象とは違ひます。某外国語関連の本(アルク)と、中公新書の新刊を購買して退店。

読書は清水義範氏。正月恒例であります。『やっとかめ探偵団』。「やっとかめ」とは名古屋弁。ご存知の方も多いでせうが、まあ「久しぶり」といつた意味でせうか。名古屋でも老人しか駆使しない語だと言はれ、実際わたくしはリアルに聞いたことはございません。名古屋言葉をバリバリ放つ人でも、「やっとかめ」は発さないやうです。

主人公は駄菓子屋「ことぶき屋」(名古屋市中川区にある)の主、波川まつ尾、74歳のお婆ちやんであります。その人柄を慕ひ、ことぶき屋には客がひつきりなしにやつて来ます。洟垂れ小僧から現役の警察官まで、まつ尾婆ちやんのファンなのであります。

そんな「ことぶき屋」の舞台、中川区で殺人事件が発生します。被害者は近所のお爺ちやんの一人、堀井民次。状況からして、嫁の紀子さんが怪しいといふことで警察もマークするのですが、さうかうする内に紀子さんが行方不明になる......
「ことぶき屋」に集ふ常連お婆ちやん達が、まつ尾の号令の下、情報収集に走ります。

息子の嫁の悪口ばかり言ふ粂山よね、「ここだけの話」を各所で喋りまくる芝浦かねよ、体力自慢の早坂千代、信心深く念仏ばかり唱へる吉川常、毎日同じ事を言ひ翌日また忘れる生田ハツ......「やっとかめ探偵団」は真相に迫ることが出来るのでせうか。

本格ミステリではなく、名古屋弁を駆使した人情ほのぼの物語ですな。殺人は起きるけれど、深刻さはなく、さつぱりした性格の波川まつ尾婆ちやんのキャラクタアで読ませる一作と申せませう。だらだら過ごす正月に読むには、最適ではありますまいか。
不安材料は、あまりにバリバリの名古屋弁が連発するため、東海地区以外の人が読んで理解出来るのだらうか、といふ点であります。
デハデハ。今年も又お世話になります。よろしくお願いします。




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