源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
僕が右翼になった理由、私が左翼になったワケ
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僕が右翼になった理由(わけ)、私が左翼になったワケ

鈴木邦男/和多田進【著】
晩聲社刊
1997(平成9)年7月発行

ソ連崩壊時に、東西冷戦が終りを告げ、もはや右も左もないと言はれたものですが、現実はさうでもありませんでした。相変らず極右・極左は存在し、特に不穏な国際事情を背景に、むしろ右側陣営の方は一層勢ひを増してゐるやうです。
本書で語り合ふ二人、鈴木邦男氏と和多田進氏は、いづれもさういふ段階はとつくに卒業してゐると思はれます。

この時鈴木氏はまだ一水会代表でしたが、既に第一線から身を引いてゐて、その活動・発言はよりリベラルに寄つてをります。最近の鈴木氏の人間関係は、むしろ左側と呼ばれる人たちとの付き合ひが多いやうです。当然若い時とは違ひ、狭い世界の集団的右翼活動(テロに訴へるなど)を否定し、より高次元の言論の世界での闘ひを意識してゐるといふことです。

一方の和多田氏は出版社「晩聲社」を立ち上げ、その出版物には奥付に「核時代」を併記し、価格表示は消費税分を(+悪税)と表現するなど、独特の活動をしてゐました。もつとも現在の晩聲社のホームページを拝見しますと、まるで韓国専門出版社みたいになつてゐます。代表者も韓国の方に代つてゐるやうです。

こんな両者がそれぞれ、生ひ立ちや思想的遍歴、政治観を語り合ふのです。面白くない訳がありません。その話題は革命・天皇制・民主主義・信仰・君が代と日の丸・教育・恋愛まで幅広い。どちらかといふと、和多田氏が攻め、鈴木氏が守る感じですが。
誤解を恐れずに言へば、この二人は真の「愛国心」を持つてゐると申せませう。
彼らの発言は、一般の人が思ひ浮かべる右翼的・左翼的思考とはかけ離れてゐて、いかにして自由な生き方を求めるか、の方法論は違ふ(それでも、共通点は多い)けれども、目的といふか到達点は同じだな、と存じます。
我我が認識してゐるさまざまな「価値」とか「意味」とか「体制」とかは、様々な先入感によつて結局別の物にすり替へられ、そのまま何の疑ひもなく受け入れてゐるものなのだな、とも。

和多田氏も述べてゐますが、本書はこれから世に出る若い人が読むのが良いでせう。無論おぢさんでも問題ない。和多田氏の発言ではないけれど、残された時間をいかに「一生懸命生きる」か、考へるにあたつて色々と刺激を貰へる一冊なのです。
ではまた。



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