源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
不滅の“ウルフ”千代の富士貢
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不滅の“ウルフ”千代の富士貢 第58代横綱・千代の富士引退記念

「相撲」別冊夏季号’91
ベースボール・マガジン社刊
1991(平成3)年6月発行

早い。早過ぎるなあ。言ふまでもなく、元千代の富士の九重親方のこと。まだ61歳なのに、膵臓癌には勝てず、惜しまれつつこの世を去りました。昨年の北の湖親方に続き、昭和後期の大相撲を支へた名横綱が相次いで鬼籍に入る事態となつたのであります。

わたくしは元元、三重ノ海が好きになつて相撲ファンになつたのですが、その三重ノ海も晩年は休場続きで、横綱としての相撲が取れてゐませんでした。再起をかけた1980(昭和55)年11月場所、初日に当つたのが、当時売り出し中の関脇千代の富士。わたくしは千代の富士も幕下以来応援してきましたので、まことに複雑な思ひで観戦してゐました。この当時の両者は、横綱と関脇といふ関係ですが、既に力関係は逆転してゐたと存じます。
案の定、三重ノ海は千代の富士に浴びせ倒しで敗れ、続く二日目も玉の富士に屈し引退したのであります。即ち千代の富士は三重ノ海を引退に追ひ込んで、世代交代を自ら演出したわけです。

そして大関獲りがかかつた、翌1981(昭和56)年1月場所、初日から綺麗に白星を14個並べた千代の富士は、千秋楽で一敗の北の湖に敗れます。相星で並んだ両者、優勝決定戦で再び激突、やはり北の湖有利かの予想を覆し、千代の富士は上手出し投げでこの無敵の横綱を倒したのであります。
この初優勝で、日本中が大騒ぎ、たちまち国民的ヒーローとなつた千代の富士は、その年の内に大関そして横綱へと登りつめたのでした。
とにかくこの人は、見てくれが良い、スタイリッシュな横綱でしたな。まあ簡単に言へば「カッコイイ」の一言に尽きる。特に四股を踏む姿の美しさと言つたらなかつた。足のつま先がピンと天を向く、そんな横綱は他に例がありません。

不滅の“ウルフ”千代の富士貢」は、1991(平成3)年、引退記念に出版されたもの。ウルフの全記録などデータブックと、充実の読物・記事が満載であります。これを読むと、この横綱が、角界のみならずあらゆる分野の人たちから愛されてゐたことが分かります。
ちなみに、天存でも中古品が出品されてゐますが、その価格は何と16800円~25000円! 定価は税込690円なのに。いやあ、発売当時に真先に買つておいて良かつた喃。

といふことで、追悼の一冊でした。では御機嫌よう。



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