源氏川苦心の快楽書肆
古い本を探しては読みふけつてゐます。よければお付き合ひくださいな。
全国鉄道事情大研究 青函篇
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全国鉄道事情大研究 青函篇

川島令三【著】
草思社刊
2016(平成28)年9月発行

「はじめに」にも記述がありますが、このシリーズの前作『中国篇②』が刊行されて以来、何と7年ぶりの新作であります。過去最大のブランクですので、もうシリーズ継続は諦めたのかと思つたほどでした。
残るは東北・北海道地区なのですが、この間に発生した東日本大震災の影響で東北の鉄道事情は大きく変化してしまひました。恐らくこれも空白期間が長引いた一因なのでせう。

前作の帯による予告では、次回配本「東北篇①」となつてゐましたが、近年の変化が著しい青函地区を取り上げ、最新刊は『青函篇』として発表されました。北海道新幹線の開業を待つての執筆だつたと思はれます。
北海道新幹線については、予想通りその遅さに言及してゐます。北陸新幹線の場合は、整備新幹線標準の時速260キロでも(東京駅から北陸各都市まで)2時間台のため、あまり問題にされませんが、より遠距離の新函館北斗までは(東京駅から)4時間2分と、航空機に対して優位に立てる数字ではありません。青函トンネルが諸問題によりネックになつてゐるのも痛いところです。

その他、JRから切り離された「道南いさりび鉄道」を始めとして、本書に登場する路線は、経営の厳しいところが多い。それなのに漫然と各駅停車をちんたらと走らせるだけの地区には、川島氏も苛立ちを隠さぬ筆致ですな。
過疎地区では少子化などにより利用者は減る一方なのに、これといつた手を打てないままの鉄道会社が目立つのです。このままでは座して死を待つ(廃線になる)だけなので、沿線の観光資源を活かした施策を打ち出すことが必要であると。例へば津軽鉄道。金木駅から太宰治記念館まで馬車鉄道を走らせよとは、いかにも川島氏らしい提言ですが、まあやらないでせうね。

何かと批判される川島節、上から目線の「~すべきである」「~といえる」「~せよ」「~する必要がある」といつた断定調も健在であります。いや、わたくしは大好きなんですけどね。寧ろ、まだ生ぬるいと感じてゐます。
さあ、次回配本は「北海道篇」ださうです。いつになりますやら。



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